Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

 京都暮らし178. 小休止3

2009年12月19日 | Kyoto city
 生活習慣病の克服もあるので、毎日デスクワークばかりというわけにもゆかず、 昨日は最高気温6°、最低気温1°という歩くと空気が大変冷たく感じられるすこぶる寒い街を少し散策した。
 もう夕方だというのに、お昼をたべていないことに気づき、四条通から木屋町筋を少し下がったところにあるフランソア喫茶室で、ウィンナー珈琲とクッキーのセットをいただいた。今日は珍しく空いていた。
 建築は1934年に建てられたというから、80年程経っており、私の家と同世代だというのに、親近感を感じる。ただし、こちらは町屋ではなくイタリアバロック様式の洋風建築である。今でも当時の状態がよく保存されているので、2003年に喫茶店としては異例である国の有形文化財に登録されている。
 休日は、ビジターも多く満席の時がよくある。そうまでこだわらなくてもと私は思うが、珈琲や自家製のケーキを求めてくる人達が多くて、いつも賑わっている。設立時の店のポリシーは、戦時色が強まる中、反戦や前衛芸術を語るサロンとしてこの場が提供されたというのが、ホームページに記載されている。ここにたむろした著名人も数多い。
 今も店内は、昭和の空気でみなぎっている。だが違うのは、反戦活動家もいないし、芸術家もいないことだろう。時代が多いに変わったのであろう。
 大学時代に、美術史家の長谷川誠先生が、「岩波文庫は文化人が読む本だよ! だから今時そんなの売れるわけないじゃない!!、だってみんな本を読まないから文化人なんていないんだもん!!!」、と嘆いていたのを思い出した。今の私が教えている大学を見ていると、今は本を読むどころか、お勉強もしないので、文化人や芸術家の卵すらいないのだと私は思う。まあ、それで建築家やデザイナーを目指すというのは、無理筋とちゃうの!!!!、と少し皮肉を言いたくなる気分だ。

京都市下京区西木屋町下ル船頭町
GF-1,G f1.7/20mm,ASPH.
シャッター1/20,絞りf1.7,-1/3補正,ISO1000.フィルムモード:ダイナミック.
コメント
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