Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編310. 機材フェチ

2018年02月26日 | field work

 オリンピックは終わっちゃった。終わると少し寂しい。テレビでオリンピックをみながら仕事するなんざ、なかなかよいものだったのだけど。さていつものペースに戻るか。

 撮影機材は、使い方を覚えれば誰にでも操作できる。

 ふと思うに映画監督やフォトグラファーというのは、映画や写真のことは全く知らず、むしろそれら以外のこと、つまり人間とか社会とか歴史とか文化などの被写体の側に関心と知識があって、そんな関心などをどのように記述しようか、そうだ撮影機材があったか、というので映画監督やフォトグラファーが誕生する。

 逆に撮影機材マニアは被写体ではなく道具である撮影機材に関心があるのだから、まずフォトグラファーや映画監督にはならない。幼少から撮影機材が好きというのはよくてエンジニアかプロダクトデザイナー、あるいはそのまま道楽の一つに納まったりすると私は考えている。私!?、当然後者だよ。

 1990年初め頃、横浜市内に韓国庭園ができた。そのときに使用した撮影機材は鮮明に覚えている。

Canon6L+Leitz Hector135mm/F5.6

 つまり親父からもらった6Lには、ピント合わせ用の拡大ファィンダーがついている。いまのOM-Dでもデジタル画像を拡大してピントを合わせられるので全く同じ機能である。これに外付135mm用ファィンダーを付け、最初に距離用の拡大鏡を除きながらピントを合わせ、その距離目盛りを外付け135mmのファインダーにも転用してパララックスを補正し、そして外部露出計で測光し撮影した。随分手間がかかるが当時のLeitz Lシリーズは、みんなこの方法で撮影した。だから面倒なことに慣れろというわけだ。土門拳がこのLeitz版システムを手に持っている写真を福岡でみたが、こちらはそれよりもはるかに安い頂き物のCanonである。

 デジタルデュープのレンズは、パナソニック製LEICA DG Macro Elmaritだから、きしくもライカ新旧レンズが偶然の鉢合わせ。でっ、当時撮影したレンズが良かったのか、あるいは今の複写用のパナソニックレンズが良かったのか、あるいはOM-Dのシステムが良かったのか、あるいはadobe Photoahopがよかったのか、あるいはカラーネガの保存状態が良かったのか、そのあたりはもう良かった要因を判別できないのだが、やはり今見ても綺麗な画像である。通例は原版の良さが再現できたというべきだろう。

 もちろんLeitz Hector135mmレンズは、マウントアダプターを介してOM-Dにもつくのだが、焦点距離が270mmとなり、えらい望遠レンズになってしまう。このように機材を組み立てるとか、あえて手間がかかるといった撮影方法もデジタルではできない楽しみ方の一つ。つまり機材フェチとしての楽しみ方なのだろう。

 

1990-1995年代横浜市鶴見区三ツ池公園コリア庭園

Canon6L+Leitz Hector135mm/F5.6,フジカラー

コメント
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