Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング166. クリエイター

2018年08月30日 | drawing

 AIが進化すればデッサンなんか簡単に描けるさ、と考えたら大間違いである。

 というのも、その前提には人物クロッキーであれば、ボディを忠実に描くという前提でプログラミングするからだ。

 だが実際に私は忠実には描いていないし、ポーズによっては描けないこともある。例えば、この画像は、実際のモデルさんはこんなに筋肉質ではなく、私が筋肉の位置を確認するために、あえて筋肉質に描いているし、それに身長もクロッキーほど小さくはなく、実は結構大きいモデルさんなのだ。モデルさんを通じて、その場で感じた自分のテーマとするところを描いているのだから、そんなのをどうやってAIは察知するのだろうか。当然不可能な話に近い。

 コンピュータは、人間の気まぐれにはつきあってくれない。精々人間の活動を支援する程度であることに変わりはない。気まぐれこそがクリエイションといってもよい。気まぐれという言葉が悪ければ思いつきや発想といってもよいだろう。そして描いた結果が人によって全部違うということが必要な資質だ。こちらはみんな同じように描けることを目指しているわけではないのだ。むしろ人と違う表現を模索しているのだ。

 つまりコンピュータは一般解を目指すが、こちらは特殊解を目指している。所詮目指す方向が逆だから、コンピュータにクロッキー、つまりデッサンはできないことになる。

 それよりは、クロッキーを初めとするクリエイションのための支援ツールであればよい。そこがiPadが目指している方向である。おかげてconceptというアプリは結構重宝しているのだ。まあクロッキー帳代わりといってもよいだろう。でもいまだにスケッチブックの方が描きやすいので、iPadでクロッキーはしておらず、今後試みたらどんな表現なるかは楽しみなところでもある。だからこそMacを使っているのである。

 コンピュータを使ったら新しい表現ができるかもしれないと、クリエイター達の感性を刺激するところがMacの好きなところである。それが世界的に支持されている。それをWin系のようになんでもコンピュータにやらせようという傲慢な発想が私は嫌いなのである。クリエイターは、プログラマーの奴隷ではありませんからね。

 

クロッキー帳NO38.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする