Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ZEISSの空気37. 事務屋のプライド

2018年08月11日 | Okinawa

 薄暮の那覇空港では増設工事をしている。現在2本目の滑走路を造成中でありビジター数が著しく増加していることを示している。なにしろPeachでゆくと空港管理区域のなかの無粋で暗い倉庫がターミナルというすごさだ。もちろんこの区域にビジターは出入りできないので、シャトルバスで那覇空港と連絡している。これが本数が足りなくてトロいんだ。だから那覇空港へたどり着くのに飛行機を降りてから1時間近くかかったこともあった。

 目下役所へのA4版の申請書類を書いている。ふと思うのだが事務屋はA4版の空きスペースがデスク上にあればよいのだ、ということに気づかされる。最近では、それがノートパソコンに置き換わっているわけだが。それ以外のスペース(デスクの下も含めて)は多くの書類が山積みとなっているわけだ。

 そんな小さなスペースで大は国家戦略の構想にはじまり、画像にあるように空港の増設工事や、小はゴミの回収方法などに関する書類を営々と書いて一生の大半をつぶすことになる。その書類を書かなければ、物事は始まらないし、稟議もできないし、そして仕事も終わらない。そして役目を終えた書類は倉庫に送られ何年か後に廃棄される。それは企業でも同じであり、そうした価値観のなかで一生をすごすなんざぁ実に忍耐強い人種だと思う。

 といって事務屋は空間をつくる仕事に直接関わるわけではない。しかし事務屋にいわせれば、書類がなければ予算も付かないし、工事だってできませんよ、ということになる。そこに事務屋のプライドもあるのだろう。広く解釈すれば、世の中のすべての物事を行うのに際して大量の事務書類が発生しているわけだ。

 終日書類作成をしながら、事務屋のプライドに思いをはせていた。個人的には、こんな仕事は、あまりやりたくないが・・・。

 

那覇市那覇空港

SONYα6000,ZEISS Vario-TessarE4/16-70mm

ISO500,焦点距離50mm,露出補正-0.3,f/4,1/80 

 

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