Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編373. メタファーのデザイン

2018年08月09日 | Photographic Equipment

 大学時代に建築を勉強しつつ、プロダクトデザインを少しだけ勉強してきたから、ニコン新型ミラーレス・ニューモデルのデザインが気になるところだ。だが既に公開されているテザー・プロモーション映像では失望の色が濃い。いやそれは少し失望させて実物が登場したときに感動させて購買に結びつけようとする戦略かもしれないと推測したが、今は少し失望感がぬぐえない。

 その理由として、過去の優れたデザインを踏襲しつつ現代の感性でプロダクトデザインに活かすという方法が最近の傾向なのだ。カーデザインをみてもそうだし、撮影機材でもライカM10などはサイズまで過去の様式にこだわってきた。ニコンだって過去の優れたデザインを踏襲したDfがある。そんな最近のデザイン傾向を、ここではある時期のデザインを暗示させる現代デザインという意味でメタファーのデザインと定義しておく。不思議な事にメタフーのデザインは、みていて飽きないのだ。

 そのニコン新型ミラーレスにあまりメタファーのデザインを感じないのだが情報不足のためだろうか。昔の一眼レフと同じ大きさにするということは、やはりメタファーのデザインが加味されてもよかったのではないだろうか。それがテザー映像では感じられないのですね。

 そんなわけでモータードライブ付きのニコンF3にリバーサルフィルム・プロビアを入れて、いまだに撮影にでかけることがある。もちろんリバーサルフィルムをデジタル化しても、デジタル機材とそん色はなく綺麗な画像になるわけ。 

 それと最近撮影の攻略本を立ち読みしていたら、画像の修正は撮影機材側ですべて行う、という言葉に唖然とした。あんな小さなモニターをみながら修正するなんざあ、Macの大画面でPhotoshopの修正を常としている私には信じがたいことだと思った。

 撮影マニアは、そんなPC音痴の志向があるので撮影機材は次第に複雑になってゆく。それがデジタル一眼レフに私が嫌気がさす理由かもしれない。たかだか1枚の静止画をとるのに、そんな多機能はいらないでしょうと思う。撮影機材は、シンプルな機能と堅固なボディと長持ちするバッテリー、そして感触が良い操作があればよい。あとは大画面を見ながら、PCで修正する話だ。第一印刷用の画像ならPCに持ち込まないと画像の修正は不可能でしょう。

 シンプルな機能、それはかってのフィルム機材が持っていた機能である。デジタル化してから目的の機能を探すのに小さなモニターを何回もスクロールさせるなんていうのは、現場によっては不可能よ。だから私はフィルム機材をいまだに持ち出すのだろうと思う。

 メタファーのデザインといったとき、それは外観が過去の資産を現代風に継承するだけではなく、機能面においてもシンプルな機能にまとめつつ高性能である、といった使い勝手の話も含まれるのである。

 それにしてもフイルム機材のモータードライブが巻き上がる感触にはまるよ。そんなのデジタル機材では経験できないからね、まさに、しびれるーーーという感じだ。それに今日の画像であげたモータードライブを付けたニコンF3のスタイルが精悍だ。こんなエッセンスを現代の解釈でデザインして欲しいのだが、それがメタファーのデザインだと思うけど。

 

追伸:ASOBiingというサイトに、発表前のニコン新型ミラーレスのリーク画像があった。小さい事は確かだが、あーーあっ、このなんのポリシーも感じられない中途半端なデザインか。あえてマウントを変える必要もないのにですね。初見でまずバッテリー不足になることは明らか。私は、これ欲しくないです。ニコンでは他機種も同時開発中とあり、さらにキャノンでもフルサイズミラーレス開発中とあるので、全部出そろってからのチョイスでよいでしょう。

 

出典: https://play.asobiing.com/nikon-z-mount-info/#jp0805

 

SONYα6000,Carl Zeiss Vario-TessarE4/16-70mm

ISO2000,焦点距離35mm,露出補正-1,f/8,1/60

 

コメント
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