Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング298. 小説:小樽の翆229. 玲香さんの意外な話

2020年11月09日 | Sensual novel

 

 公立図書館のエントランスで、奥から出てきたダウンコートを手にした見慣れない女が、アチキーと呼んでいる。さて誰だったか。

「玲香よ!

「何だ、玲香さんかぁー、若づくりーー」

小春からは、玲香姉ちゃんは時々馬鹿っぽい化粧をしていると聞いていた。これがそうかあ。確かに幼さが残るけど、そして子供を産んだとは思われない可愛い顔立ちだ。

玲香「まだ21歳だもん、若いよ。これねぇ、子供にお乳をあげなきゃいけないから、前ボダンのオフショルダーを探したの。おっぱいが張って痛いの、アチキ飲むぅーー!」

玲香さんのオフショルダーのボタンを外して、前フックのブラを外すと裏側がお乳で白く湿っている。その大きくなった乳首にかじりついてお乳をチュパチュパすると玲香さんの呼吸と心臓の鼓動を感じるのがすごく快感だというのは、妄想に留めておいて、大人のスタンスでぇー。

「看護師だったっけ?」

玲香「新米看護師だから、休日は猛勉強なの」

「子供育てしながら?」

玲香「休日は実家のお母さんが面倒見てくれるよ。平日は病院の育児室。お乳をあげにいきやすいでしょう」

「ところで、7人も兄姉がいると、自分と似ている子供がいるんではないかな?

玲香「それ、あるよ!。一番私と似ているのは美希ね!!」

「ほう、マサヒロ君のお漏らしの世話までした玲香さんに似ているのが美希ちゃんですかぁー」

玲香「私って長女だったし、小学校の頃は、ものすごく面倒見がよかったんだよね。それが中学校の頃から超反抗期で、高校で随分遊んだもん。多分面倒をみる人もなくなっちゃったし、心のどこかに寂しさがあったんだろうね」

「男と・・・」

玲香「もちろん、高校の時アタシって、裏でヤリマンといわれたぐらいだもん」

「10人とか(笑)」

玲香「それ、美希の話でしょう。私13人・・・。だってえ毎月男が違うのよ。それで放課後の誰もいない教室とか、校舎の裏とか、それでもできないときはトイレで立ってよ。学校って人のいない時間帯って結構あるのよね。そのうち男からも愛想を尽かされて、お前ってなんなんだよ!、だってぇー。もう同級生の男達から警戒されまくりね。それで13人で打ち止め。教科書忘れてもゴムは忘れなかったぐらいだから。結局世話好きの母性本能があるみたいだから、世話できる相手が欲しかったんだろうな」

「フゥーーん、それは意外な話でしたねぇー」

玲香「だってえ、欲求不満の男の子をみるとジッとしていられなくてさぁー。それが裏目に出て同級生達からは信頼を失って卒業したの」

「じゃ今の旦那とは看護学校にいってる頃にであったんだ」

玲香「そうなの、気の利いた女の子が私を合コンに誘ってくれたの。そこでみつけたのね。バス会社の運転手をしている一番地味な男の子だった。なんか母性本能がうずくといったらいいかな、この子でいいかと思ったもん。それで孕んじゃったから、籍をいれたわけですぅー」

「フゥーーん、玲香さんのライフスタイルを美希さんが参考にした」

玲香「兄姉って、男は男、女は女をライフスタイルのとっかかりにするというのかな、そんなところがあるよね。でもね上二人のライフスタイルをみていたから、明菜や小春は、私とは違う価値観ができたみたい」

「フゥーーん、ところで何処の病院に勤務しているの?」

玲香「翆さんと一緒の所よ。科が違うけど・・・」

「そうだったのかぁー」

玲香「さて母乳をあげる時間だ、帰りますぅー・・・」

・・・

そういって玲香さんは実家に帰っていった。

小樽の空は冬の兆しが濃厚。街はしっとりしてきた。そろそろ初雪きの頃かなぁー。

 

コメント
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