さて玲香さんは、新人看護師だから外来にいる。
午後2時前には外来も終わるので、循環器病棟の翆がやってきた。なにしろ翆の子供のマサヒロ君が小さい頃、お漏らしした時とか、何かとお世話になった玲香姉ちゃんだ。
翆「はーーい!」
玲香「あっ、翆さんだぁー」
翆「看護師らしくなったではないか。あら赤ちゃんはどうしているの?」
玲香「ここの育児室に預けています」
翆「そう、玲香さん随分太ったじゃん」
玲香「子供を産んでから体重が15kg増えたですぅー」
翆「じゃあ、お乳をよく飲むんだ」
玲香「そうなんですぅー、そのたび事に体重が増えてきたんです。今もお乳が張って痛いですぅー。だから時々お乳をあげに育児室へゆくんですけど、なんか二倍ぐらい飲んでるみたいなんです。子供が離乳すれば増えた体重は減ると本には書いてあったのだけど、減らなかったらどうしよう!」
翆「増えた体重は全部お乳用だもんね、離乳すればお乳がいらなくなるから、体重は減るとは思うが・・・・、思うが、なんだよね。そのままという人もいるし・・・」
玲香「なにしろ私、顔が大きいでしょう。それで脇の髪を垂らしてカバーしてるんだけど、そうなったら体重が増えたままですよねぇー、もろブスですよ・・・」
翆「(笑)、そんときはエクササイスだねぇー、外来は慣れた?」
玲香「最初は、お爺さんから、茶髪かよ!、なんて随分ばかにされたんですよ。でも私、注射が得意なんです。そしたら、お爺ちゃんが感激して、以後、あの太い茶髪にしてと、ご指名なんです。最初の関門は突破したかなぁー。その他は見習い中です」
翆「太いは余計だよねぇー、大丈夫、元に戻す方法はある!?・・・と信じよう(笑)」
玲香さぁーん、赤ちゃんが泣いてますよぉー、育児室の担当者がそういってきた。
玲香「あっあーーん、またお乳だ。あいつどんだけ飲むんかねぇー。お乳あげにいってきます」
・・・
玲香さんにとっては、慌ただしい外来の時間の中での一時の休息タイムかもしれない。