夕方の日課で、公園から遠くにみえる海を描いている。
陽が沈むのが早くなった。というか、いつもより早い時間に公園に来たわけだか。といっても今日は土曜日だから、この時間に小春がくることはない。そしたら、「叔父さん、休日も絵を描いているんだね」と小春がやってきた。
振り返ると、オヨヨ!
「格好いいじゃん、どうしたん、その格好は?」
小春「今朝、優子さんの美容室で髪をやっもらったの。そしたら、美希姉ちゃんが古いコートを引っ張り出して、コーデしてくれたの」
「変われば変わるもんだ」
小春「小学生には、みえないでしょう。これからユウ君とデートなんだ。映画見て、マックでシェイク食べるの」
「フゥーーん」
小春「おじさん!、ユウ君とセックスしている話は、絶対秘密よ!」
「眠っている獅子を起こしたからなぁー」
小春「ユウ君が毎日勃起するから、放課後に学校の裏のトチノキの下でするんだけど、いつもそうしていると絶対に見つかると思うのね。家にあった本で読んだの。確率というお話し。同じ事を繰り返していると、いつも一定の割合で違うことが起きるの」
「確率!、統計学の本だな」
小春「つまり、いつもトチノキの下でユウ君とセックスしていると、気まぐれな先生にみつかる場合もあるっていうお話しね。だから金精様のお堂にゆくの。ユウ君どうしちゃたのかなあ、毎日セックスできるなんて」
「新しいことを覚えたんだから毎日したいんじゃない。それに体力がグングンついてゆくから」
小春「だからあ、お姉ちゃんのゴムがドンドン減ってゆくの。まずいかなぁーと思ったら、ユウ君は生理中なら妊娠しないというの。それで生理の二日目ぐらいからは、血もすくないので、金精様のところで、ゴムを付けないでしようというの。それって異常?」
「いや、正常だよ」
小春「じゃあ、排卵日の計算をして、ゴム付けないでやってみるのは?」
「それ、普通、目安というのか・・」
小春「それって、外れるの?」
「毎月、次の生理も同じ周期で来るならば、予測しやすいというお話し。不規則ならわからない」
小春「最近小春は、毎月同じ周期だよ。じゃ今度はゴム無しでやってみよう。妊娠したら玲香姉ちゃんみたいにお家で産む!。ユウ君の子なら可愛いじゃん」
「えっ!、度胸いい」
小春「わかった、今度は金精様のところで、排卵日を外してゴム無しね。だってユウ君毎日よ!、今日はダメな日というと悲しそうな顔してるのよ。この話小春が大きくなるまで絶対秘密ね!!」
一気に大人に向かって駆け足で成長してゆく。
小春「じゃ、ゆうくんと待ち合わせの時間だから、またね!」
小春の後ろ姿が、小柄な女と見間違いそうなほど大人の身体だ。昔は12歳で結婚したという話は、歴史が教えてくれた。だから、十分あり得る話なんだ。
・・・・
あたりは、もう暗くなってきた。
小樽の街の明かりが眩しい。