(続)
「遊び人のベーヤンが、癖になりそうってどんなん?」
ベーヤン「何しろあの主婦は、子供産んで以来10年近くセックスレスでしょう。だから最初は躊躇していたけど、燃えだしたら恥じらいなく燃え上がって身体がビクビクと反応するのね。だからいろんな体位で攻めて、時間をかけてじらしながら、何回も絶頂へいかせたよ。それで一晩中燃えていた!」
「(笑)10年ぶりだもんねぇー、映画のエマニエル夫人で・す・か・・」
ベーヤン「枕話で『こんなの初めて、また燃えたいわ!』というから好きかい?、と尋ねたら、じっとりとキスしてきてさ『オトコの人を好きになったのって初めて』だって。じゃあ駆け落ちしようか!、っていったら、『そうしよう!』というわけ。『もう子供も10歳になったし、主婦の仕事もないから、好きな人とこうして暮らしていたいわ』だって。小樽ってそんなマンションがあるかい?」
(実は、南小樽の海際にオーナー不在で貸し出しているマンションがある。ここを借りて逢い引きの場所にして、ベーヤンは、ここから会社に通うという算段なのだろう。家には仕事で忙しいからホテル住まいをする、とでもいっておくんだろうか。彼女は専業主婦だから稼げないだろう。だからベーヤンが食べさせてやるわけだ。つまり妾と欲望のための家!、これは面倒くさい!、やはり札幌に留めておこう)
「わかんない。そんなの札幌にたくさんあるでしょうよ!、100万都市だからさ!。それに本当に駆け落ちする気かい?。家に帰れば、やはり主婦だったと気づくさ。一時の駆け落ち願望だから冒険はしないな、女は。それで少し願望が満たされて家に安住するんだよ。20代の女の子をもてあそんだ遊び人のベーヤンが40代の主婦で満足できる?。ベーヤンらしくないことをいうねぇー」
(ベーヤンの気分もわからなくはないが。マンション紹介しちゃうと本当に小樽に妾ハウスをつくりそうだもん)
・・・
ベーヤン「それも、そうだな」
フゥーーっ!、アチキとは正反対のテイストを持つ欲望ラインの悪しき悪友の企てを追い払った。ヤレヤレ・・・!。
そういってベーヤンは、ベンツを運転して札幌へ帰っていった。
まさに悪夢の嵐だったな。