Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング318. 小説:小樽の翆249. 30まで処女だった

2020年11月29日 | Sensual novel

 

 晃子さんは今日も夜勤、だから文さんの居酒屋で出勤前のご飯。

晃子「あら、もうお客さんはいないのね、まだ、やってるーーー?」

文「今日、最後のお客さんねぇー、定食用意できるよ!」

そういって文さんは、刺身のたたきをつくっていた。

晃子「文さんって健さんが最初のヒト?」

文子「そうよ、だって私って、30になるまで処女だったのよー、笑っちゃうでしょう」

晃子「それまでにチャンスだってあったでしょう?」

文子「若くして、このお店をお爺ちゃんから引き継いだときに、お爺ちゃんは『文子!、居酒屋は厳しい世界だ、男にうつつを抜かしていては居酒屋の女将はつとまらん、男に抱かれたら店はつぶれると思え!』そういわれて、お爺ちゃんのいうとおりに居酒屋の経営を続けてきたの」

晃子「厳しいお爺ちゃんだったね」

文子「でもお爺ちゃんはこんなこともいったわ。『文が心から好きだと思ったら一度だけ恋をしてよい、二度はダメだ』、それが健さんだったの」

晃子「一寸優しいところもある」

文子「だもん、30になるまで、あの事、全然しらなかったもん」

晃子「それってすごいよねぇー、欲望に走らずだもん」

文子「最初はどうやってやるの、というのもよくわからなかったの。それで健さんが握ってみろ!、というから、そろそろとアレを握ったの。なんか固くて大きいのよぉー。こんなのが私の身体に入るのかって思ったもん。それで長く眠っていた火山が噴火するみたいに一気に女が爆発したわけ」

晃子「一気に燃えた!

文子「もちろん、もう何が何だかわからなくなるぐらい燃えたよ!」

晃子「今も燃える?」

文子「もちろんよ。最近は随分健さんのアレを握るのも慣れてきたけど、眠りかけている健さんを起こしてするわけ」

晃子「健さんって嫌な顔しない?」

文子「いつも私がアレを握り出すと、しょうがないなぁといって、抱いてくれるの」

晃子「健さん以外の男に興味はないの?」

文子「健さんで最初で最後の男で、私はとても幸せだよ。他のオトコの人を好きになるって事が私はよくわからないよ」

晃子「多分出会った瞬間に、二人の感性がピピッとゆきかったとき、そこがカップル誕生の大元かなぁ。そんな感性が働かないでオトコを捕まえると、すべてが疑似恋愛だし仮面夫婦になるかなぁー。」

文子「あっ、そうだ!。健さんが燻製にしたビーフジャッキーが残っているの。ついでにもっていって」

晃子「夜食にピッタンコ、今日は健さんは?」

文子「夜中に燻製持って帰ってくるよ」

晃子「文さんは、今夜も最愛の健さんに愛される!、うらやましいなあ。また夜のナースの話題ができた。さて今日も夜勤ですぅー、いってきまあーす・・」

そういって晃子さんは、コートを翻して病院の夜勤に向かった。

・・・

小樽の夜も冷え冷えとしてきた。今晩も寒い!。

コメント
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