晃子さんは、いつものように夜勤前に文さんの店で夕飯。
文「健さんとの、のろけ話ですか・・!、毎日のろけているからねぇー(笑)」
晃子「聞きたーーい」
文「この間は赤襦袢なんか着て、隠す、恥じらい、昔の人の美意識なんて褒めたじゃない。そしたら、昨日は、違うのよ」
晃子「へーーっ、どんなぁー」
文「ただの、スケベ親父!」
晃子「おや!」
文「だってねえ、夜赤い肌襦袢で布団に転がっていたの。ああっ、また今日もやるんだなとおもって。そしたら健さんが、『文!、足開け、千摺り、してみろ!』というわけ。そんなの恥ずかしいじゃん。でね、胸をはだけて、少し股間を撫でて千摺り風の格好をしてみたの。もう恥ずかしいんだから・・・」
晃子「ほう!、そしたら・・・」
文「健さんが『格好だけではなく、本当に燃えてみろ!』というわけ。そんなの見られているから、燃えないよー、といったの。そしたら健さんが・・・
『できないというわけか、俺のいない間に他所の男と浮気していたのか!、だからできないんだな!!』
・・・ていうのよ。そんなの濡れ衣よ。そんなことするわけないでしょ!、といったの。そしたら健さんが・・・
『俺のいない時を思い出してやってごらん』というわけ。だから眼をとじて、健さんがいなかった時のことを思いだしながら、千摺りしたわけ。
そしたら、本当に寂しくなって涙がでてきちゃってさぁー。寂しかったんだよー、何年もほっといて。どんだけ寂しかったか男には、わかんないでしょう。そりゃ他の男としたくなったことだってあったわよ。だけど健さんが帰ってくるから、燃える身体を押さえつけるようにジッと我慢していたのよ!。それってとても辛かったんだから!!。男にそんな女のつらい気持ちがわかるの!!!、といって健さんに抱きついて泣いちゃった」
晃子「心にたまっていたものがてでいった、その気持ち、女にしかわからないよねぇー」
文「それでね、健さんが優しく抱いてくれてたの。寂しさが抜けるまで、朝まで何回もしたんだ。目一杯甘えちゃった(笑)」
晃子「もう健さんを旅にゆかせないことだよね」
文「健さんのビーフの燻製が好評でしょう。だからやっと自分の仕事をみつけたと思うの。もうどこにもゆかせないから。女にさ、あんな恥ずかしいことをさせて、もうあのスケベ親じぃー・・、だよ」
晃子「そう、だねぇー(笑)」
文「今日も病院の勤務は夜勤?」
晃子「うん、このところ夜勤続きだよーーん、さて出勤するか・・・」
文さんのお店の赤提灯が夜の街に映える。
・・・・
小樽の街も、夜は冷え込んで寒い。雪が舞っているが、まだ積もらない。