Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング312. 小説:小樽の翆243. 女の気持ち

2020年11月23日 | Sensual novel

 

 晃子さんは、いつものように夜勤前に文さんの店で夕飯。

文「健さんとの、のろけ話ですか・・!、毎日のろけているからねぇー(笑)」

晃子「聞きたーーい」

文「この間は赤襦袢なんか着て、隠す、恥じらい、昔の人の美意識なんて褒めたじゃない。そしたら、昨日は、違うのよ」

晃子「へーーっ、どんなぁー」

文「ただの、スケベ親父!」

晃子「おや!

文「だってねえ、夜赤い肌襦袢で布団に転がっていたの。ああっ、また今日もやるんだなとおもって。そしたら健さんが、『文!、足開け、千摺り、してみろ!』というわけ。そんなの恥ずかしいじゃん。でね、胸をはだけて、少し股間を撫でて千摺り風の格好をしてみたの。もう恥ずかしいんだから・・・」

晃子「ほう!、そしたら・・・」

文「健さんが『格好だけではなく、本当に燃えてみろ!』というわけ。そんなの見られているから、燃えないよー、といったの。そしたら健さんが・・・

『できないというわけか、俺のいない間に他所の男と浮気していたのか!、だからできないんだな!!』

・・・ていうのよ。そんなの濡れ衣よ。そんなことするわけないでしょ!、といったの。そしたら健さんが・・・

『俺のいない時を思い出してやってごらん』というわけ。だから眼をとじて、健さんがいなかった時のことを思いだしながら、千摺りしたわけ。

そしたら、本当に寂しくなって涙がでてきちゃってさぁー。寂しかったんだよー、何年もほっといて。どんだけ寂しかったか男には、わかんないでしょう。そりゃ他の男としたくなったことだってあったわよ。だけど健さんが帰ってくるから、燃える身体を押さえつけるようにジッと我慢していたのよ!。それってとても辛かったんだから!!。男にそんな女のつらい気持ちがわかるの!!!、といって健さんに抱きついて泣いちゃった」

晃子「心にたまっていたものがてでいった、その気持ち、女にしかわからないよねぇー」

文「それでね、健さんが優しく抱いてくれてたの。寂しさが抜けるまで、朝まで何回もしたんだ。目一杯甘えちゃった(笑)」

晃子「もう健さんを旅にゆかせないことだよね」

文「健さんのビーフの燻製が好評でしょう。だからやっと自分の仕事をみつけたと思うの。もうどこにもゆかせないから。女にさ、あんな恥ずかしいことをさせて、もうあのスケベ親じぃー・・、だよ」

晃子「そう、だねぇー(笑)」

文「今日も病院の勤務は夜勤?」

晃子「うん、このところ夜勤続きだよーーん、さて出勤するか・・・」

文さんのお店の赤提灯が夜の街に映える。

・・・・

小樽の街も、夜は冷え込んで寒い。雪が舞っているが、まだ積もらない。

 

コメント
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