毎週クロッキー教室へ通っていると、すぐにこの街は歩きつくしてしまった。
ならば少し大きな神社へいってみよう。
やはり、みるべきものはない。
ふとみると、民家の間からコンクリート製の大きな給水棟がみえている。
あて、はれはどこだろう。
給水塔を目印に、横町へはいってゆくと古い団地があった。
あら、スター型の団地ではないか。
スター型というのは、1955〜1964年頃(昭和30年代)につくられた3方向に翼を広げたプランニングだ。
全ての住戸のリビングルームが南面し、各居室に良好な採光をとることができるプランだ。
今見ると、住戸というより近代化遺産に近づいている。
いまこのプランは、敷地の配置効率の悪さからつくられていない。
今のマンションでは、南面にリビングルームを設け、時にあんどん部屋の和室を設けている。
光の届かない中央部をコアとして台所や浴室などの水回りや押し入れ、
北側に個室を配置し寝室になっているプランが圧倒的に多い。
フーーン、情事をしている部屋の壁1枚外側が廊下であって、マンション住人が徘徊しているわけだ。
随分と変わったつくり方だけど、頭隠して股間隠さずかなぁー・・・と勝手な想像をしている。
スター型団地のデザインは古くさいが、コンセプトは今も生きている。
そぅいえば、俺は1級建築士だったな。
意欲が向いたとき、現代のスター型のマンションプランでもブログにアップさせてみようかな。
スター型、サーキットプラン、コーナーテラス、いくつかのキーワードが思い浮かぶ。
さてまた街の雑踏へ戻ろうか。
図 スター型の住戸プラン
出典:林 新太郎 公団住宅から UR 賃貸住宅まで、60 年の住まいづくり :Housing Construction for 60 years from Japan Housing Corporation to Urban Renaissance Agency 、調査研究期報 No.162 2016 、P52-P57。https://www.ur-net.go.jp/lab/kiho162/162-06.pdf
2021年1月〜2月 京都市
NikonF3HD+MD4,Carl Zeiss PlanerT*50mm/F1.4ZF2、Tri-X
現像:写真弘社