Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング459. 小説:小樽の翆388. その一言で・・・

2021年06月28日 | Sensual novel

 

 クロッキーの整理をしながら男と女の世界の思索する。

何事も最初が肝心という言葉があるぐらいだから、最初に大きく構えて力を入れたがるのが我々の社会の悪しき風習だ。

つまり最初さえとりつくろっておけばあとは手抜きでよいということか。

最初という言葉で思い出したが・・・

男と女が最初に酒場で出会う。

男は、チャーミングな女だなと思う。

女は、いい男だと思う。

意気投合して今晩はお泊まりだ。

・・・

朝になって、可愛い奴だな、もっとつきあおうかな、仕事もあるしなぁー、他にももっといい男や女がいるかもなぁー、とお互いに思いを巡らせている間に、一夜の男と女の距離は離れてゆく。

神が与えてくれたチャンスを手放すわけだ。

だから、最初で最後のつかの間の恋というわけだ。

男は、仕事だといって旅立つ。

女は見送って、それだけのつきあいで終わる。

そうやって、男のできない女と、女のいない男が続いてユク。

それって、なんか違うよな。

だから、いいじゃん!、これでと思ったら女がいうことは一言。

「しばらく泊まってゆきなよ!」

お互いに虫ずが走るほど嫌いでなければ、その一言でカップルができるし、その先の人生だって変わるだろう。

その時の自分の感性を表現した、その一言が重要だ。

その一言で男と女がつながりカップルができてゆく。

ああ、これで俺も小樽の雑貨屋の娘の亭主かぁー。

雑貨屋の亭主が小説を書いて作家になることだってあるのだ。

そういってその先の人生が決まってゆきそうだ。

人間は、それで良いのである。

・・・

それにしても、この婚活WEBサイトはなんだろう?。

ああっ、そこまでしなきゃ男と女がつながらない疎遠な世界になっちまったか。

そうやって構えると、今度は打算が働いてくる。

収入はにはじまり、家柄は?、将来計画は?・・・、とまあ未来の世界を現実のように捉えようとする。

そして出逢ってお互いの条件に見合ったカップルが誕生するが、お互いにフィーリングが合うという感性が大いに欠落しているわけだ。

そこを無理してカップルになるわけだから、お互いに論理と感情のすれ違いがある。

破綻しても別の選択肢がなければ、カップルとはそんなものだと自分に言い聞かせる。

そうして、見事に波長の合わないカップルが誕生するわけだ。

約束が違う、こんな筈じゃなかったと思った時はもう遅い。

それでもお互いに我慢をかさぬて長い人生を暮らしてゆくわけだ。

だから、あとは仮面夫婦でフィーリングが合わない物同士が一つ屋根の下で暮らすことになる。

大方の世間は、そんな風に失敗の異性選びをしちゃうわけだ。

少し前の時代だったら、そんなことはなかった。

時代の変化が人間の意識を変えてしまったんだろう。

・・・

そんな事を考えつつクロッキーの整理も飽きてきた。

気分転換に、外でお茶だな・・・。

今日は、ジャズ喫茶ウォールストリートにゆくかな。

コメント
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