突然耳元にボソボソと言われるとゾクッとする。
「また、嘘絵、描いてんの?」
「嘘絵の天才ですぅー」
コロンビア珈琲で着彩をしていたら、後ろに玲香姉ちゃんがいた。
「看護師慣れた?」
玲香「うん!、慣れたどころか感染症があるもん。大変な事態です。いきなりこれかよーーだもん」
うん!?、仕事が超大変はワカルケド・・・。
玲香「ストレスで看護師に復帰できない人もいるのに、看護師さんて大変ですねぇーと世間からはいわれるけど・・・!?、よ」
「ほう!」
玲香「だって、若い男女が出会って親しくなる道筋ってあるじゃん。先ずは出会いよね。若い男と女が出会えるスポーツ教室とか、いろんなサークルがあるよね。そこで親しいグループができて、みんなでご飯とか飲みにゆくじゃん。それで仲良しができたらみんなで日帰り旅行にいったりもするじゃん。そんな道筋で気に入った人がいたら親しくなってゆくでしょ。最後はセックスして、ゴールインして、っていう道筋よね。そういう道筋ってとても楽しいじゃん。それがクラスターが発生するから密になるな。みんなでご飯にゆけない。飲みにもゆけない。当然旅行もダメ。だからカップルもできないし、盛り上がってセックスもできない。それをジッと我慢していろっていわれて、仕事は感染症で超激務でトレスがたまり、だから心の置き場がなくて、心身症の看護師が増えちゃったわけ」
「あっ、股間がウルウルしながら、それで出会いはするなというわけだ」
玲香「だってそんな楽しみが全部ダメなんだもん。これまで、みんな恋の話で盛り上がって、それが生きがいで仕事をしてきたんだもん」
「世間は、看護師頑張れとはいってくれるが、その先のことは知らねぇーよ、だもんね」
玲香「声援なんかどうでもいいのよ。それより発情期の男女が出会えて、盛り上がってっていう場がなくなっちゃったの。発情期の若い性欲が押さえつけられて、ストレスが蓄積しているから、下手に構うとブスッとふきだすかなぁー・・・」
「確かに、人と会話をするな、集まるな、授業はリモート、部活はするな、宴会はするな、酒はだすなの禁酒法、店は早じまい・・だもんね」
玲香「もう同僚の看護師は、オキトキシンは分泌するわ、ゆき先のない恋のオーラは振り飛ばすわ、だもん。超嫌気がさす気分で満ちあふれているんだよーーん」
「玲香さんは、既に旦那もいるし、子供もいるし、いち早く逃げ出して正解だったねぇー」
玲香「みんなから、にらまれているけど・・・・」
「恋は、早い者勝ち(笑)」
若い人たちの出会いの場がない。感染症対策は男女の出会いの場までは面倒を見てくれない。
発情期の若い男女は、どうすんだろう!?。
時代が悪かったか・・・。
・・・
小樽は初夏だ。