まだ日差しが強いので近場の公園で樹木でも描いて・・、なんだ昨日と一緒か。
これから秋だというのに晩秋の光景を探したり、あるいは夏の空気の表現にしたりと、絵を描く立場も意識は複雑なんだ。というか今の姿に物足らず、今を描かない天邪鬼さがある。いやそうではなく、今の風景のなかに晩秋の気配も漂っていて、自然はいち早く冬を意識しているんだと言い張りたい。
帰り道に地獄坂に腰掛けて一服していると、小春が手をふってやってくる。
「今日もユウ君ちかな?」
小春「そうよ、だってユウ君は精子を抜かないと授業中に、突然ウウッ!、とうめいて鼻血を出すのよ。それで今日もゆう君は鼻血をだして、みんなが、あっ、まただ!、といって保健室へ連れていったの。だから小春がセックスして抜いてあげないとねぇー、ユウ君は鼻血ブーーーだもんね。お勉強はトップなんだけど、精力は頭だけじぉなくて体全体を駆け回っているみたいなの。成績優秀でも、どこか欠点があるわけね」
「まあ、それが幸せ印みたいなものでしょう。せっせと抜いてあげるしかないですね」
小春「でしよう!。それでなますをつくったの。これからユウ君ちにいってヴァインミーをつくってあげるんだ。ほらこれよ!」
そういってタッパウェアにはいっているなますをみせてくれた。
小春「パクチーもあるし、生ハムもある、これがバゲットね・・・」
「そうかぁー、レバーペーストだけがなかったな。バターで代用かな?」
小春「これだけあれば、十分だよ。それに赤唐辛子もあるから・・・」
「赤唐辛子!、なんか鼻血ブーを促進するかなぁー」
小春「じゃあ刻んで種をとって混ぜようかな」
パクチーの香りがほのかにただよい、心春の鞄の中にハノイの空気がひろがる。