小樽公園も紅葉の最盛期だ。
丘全体が公園だから、比較的モチーフは豊富だ。
午後の時間をスケッチについやし、街へ下りてくるとティータイムだ。
画材屋に明菜姉ちゃんがたむろしているのも、いつもの風景だ。
声をかけると・・・
明菜「公募展の案内をお願いしていたの。私達の作品も出品しているの!」
「それはそれは、おめでとこうございます」と形式的な挨拶をして・・・。
明菜「私達の公募展に見に来ませんか?」
「ウグッ、簡単にお誘い」
アチキは、以前教え子から私達の年末の演奏会に来ませんか?、と誘われて、今晩は忙しいからと断った経験がある。
後で思い返すと教え子のお誘いは、どんな用事があっても断ってはならいと反省した事がある。
いや、それは後悔したいってもよいかもしれない。
だってクリスマス前のメサイアだったのだ。
以来小さなお友達のお誘いは、どんな場合でも断らないことを心情にしている。
それって、時節柄素晴らしい時間だったはずだ。
「ならば、お誘いにのって・・・」
明菜「素晴らしい、じゃこれから一緒に札幌へゆこ!」
「ハイハイ、どこへてへでも」
そんなわけで明菜姉ちゃん達仲間の公募展へ一寸札幌まで寄り道。
なんたって芸術の秋もんね。
もちろん途中で花をかって明菜姉ちゃんに渡すことも忘れなかった。
・・・
秋の風が吹き抜ける海岸を列車は、東へ向かった。