Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編498. 続々失敗談というよりは図々しさ

2021年10月16日 | field work

 

 

 中国二番目の滞在先大理までくると少数民族の衣装に惹かれて、建築から人間へ関心が拡大してゆく。

大理の人間が面白いじゃん。

少数民族の意匠をきたオバハン、文物の知識人、街灯の物売りの少年・・・・

当時中国は、一人っ子政策を掲げていたが子供達はどうみたって兄弟ばかりだ。

なんだ!、公園に固まっているこのオバハン達の一群は。

よくわからないが撮っておけ!。

脇に大理の民族衣装をまとっているギャル達を撮るついでに・・・。

後でポジをみたら、大理の民族衣装の刺繍をしているところだったのだ。

ならばもっと子細に撮っておけば良かった。

・・・

旅先で、いつも意識が冷静であるとは限らない。

何しろ私達のまわりは被写体であふれていた。

撮っても撮っても撮りきれない。

撮影機材なんかに神経を注ぐ気分はとうに失せている。

この場に及んで露出補正だってぇー、そんなことをいうのは旅慣れない人間の台詞だ。

今ならデジタル機材のあり余る設定を、モニター画面をみながら変えたりするなんて事を旅先ですることは先ずないし、そんな時間もない。

それよりは、撮り続ける気力やスタミナが重要だ。

・・・

農道を歩いていたら、ブタの頭をお盆に載せ料理をかかげた一群がやってくる。

子供達の嬉しそうな顔だ。

晴れ毎でもやるんかいな。

遠くから民族衣装で着飾った一群がやってくる。

レンズは135mmにズーミングして一群をすばやく捉える。

一瞬の差で気づかれて顔を隠されてしまった・・・。

まあよい、撮っちまえ!。

気がつくと、それは葬式の列だった。

よし!、後についていって先ず見られない葬式を撮るチャンスだ!!。

だが、そう考えるだけに留めた。

突然、外国人が現地の生活に入り込むのもモラルがなさ過ぎる。

民族によっては余所者がくることを拒む場合だってある。

そっとしておこう。

静かに葬送の列を見送った。

 

中国雲南省大理(1999年8月〜9月)

EOS3,EF28-135mm/F3.5-5.6、コダクローム2

 

コメント (1)
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