一太郎君がフォートフォリオケースから。レンダリングスケッチを取り出した。
一太郎「今日本のクルマのデザインを勉強しているところです」
「プリウス30型だねぇー、アチキがレンタカーでよく乗るクルマだ」
一太郎「それヒット・プロダクトでしょう。6年間売り続けたですから」
「プリウスは、今の40型より30型の方がコンセプトがハッキリしているよね」
一太郎「30型はワンボックスシェイプのコンセプトがキッチリデザインされているからねぇー。それで売れに売れた。それが40型で2ボックススタイルもどきになってデザインが崩れたなって感じ。だから今のモデルは、3年収期でモデルチェンジでしょうね」
「やっぱ30型のワンボックスシェイプを踏襲して欲しかったなぁ」
一太郎「もちろん30型も後ろが見にくいとか、正面のデザインが今ひとつとか、ボディのボリュームが少し大きいからもう少し車高をさげて流体係数を改善するとか、マイナーチェンジぐらいで良かったのではないかなぁー、でもヒット商品だった」
「だって、名古屋じゃ10台クルマが来ると、半数は30型、残りは外車が4台、あと一台はホンダだったもんね」
一太郎「こうした既存のクルマをもう一度描いてみると、デザインの勉強になるですよ」
「やっぱ、小さいときから彫刻に囲まれて育ったヨーロッパ人と、そうではない日本人とは感性が違うよ!」
一太郎「全体のフォルムが持つ心地よさ、みたいなことでしょう。ドイツ車やイタリア車は、そこが旨いよね。そういう感性って日本人は、評価もしないし、望んでいないし、そもそもDNAがないから、じゃあ箱にしてオプションでも沢山つけておきましょうっというわけでユーザーも満足して、だからデザイナーもあきらめているみたいだね」
「日本では、物言うユーザーは多いけど、そもそも高校ぐらいでデザイン経験をしていないから、格好が良いの一点張りだよ。スタイリングって格好が良いだけではないと思うけどなぁー。あのボリュームが持つ心地よさというのは、やはりヨーロッパのように空気が鮮明で、街のなかに彫刻が沢山あって、常に立体で物をみる感性が染みついていないとさぁー」
一太郎「DNAだね。世代がかわるしかないなあ」
「じゃあ、ジュニアに期待!」
(*^▽^*)
カースタイリングのデザインに没頭して話している間に、お昼の時間はとうにすぎてしまった。
・・・
小樽も晴れ渡った心地よい気候が続いている。
しかし空気は冷たい。