誰しも、予想外の被写体の出現を前にして、アアッ!、あの長い焦点距離のレンズを持ってくればよかったと後悔することがあるだろう。
イクロム(文化財保護修復研究国際センター)の研修に持参したフィールドワーク機材は以下であった。
EOS1DsMark3、EF28-300mm/f3.5-5.6
OlympusEM1+ZUIKO ED7-14mm/F2.8pro
それにマクロも必要と思い乗り継ぎ時間にアタチュルク国際空港で調達したコンデジ、Nikon CoolpixAW130。
このシステムなら大概の被写体が撮れるし、実際撮れた。ただ一つの例外を除けば・・・。
研修最後の日、「今日はギジ島周辺の小さな教会を回ります」というので超高域ズームレンズをつけたEOS1Dsは宿泊施設へ置き去りとし、広角ズームレンズを付けたオリンパスEM1とコンデジだけを持参した。
そして最後に「私の家のテラスから見えるギジ島の教会を見ましょう」というサプライズがあった。
テラスからは真っ正面にギジ島の教会が見えており、これまで見ていなかった立面が見えているではないか。図面化するのには最適なアングルだ。
望遠レンズは置いてきた・・・。
そこでコンデジの電子ズームをもちいて撮るのが精一杯だ。
それがブログのトップの荒れた画像だ。
EOSシステムだったら300mmでも鮮明な画像を提供してくれたはずである。
300mmの焦点距離は、めったにつかうことはない。といってその滅多にない機会に意味ある1枚が撮れる時もある。
こんな失敗から、常に超高域ズームレンズは肌身離さず持参すべきというのが私の教訓になった。
それが私が超高域ズームレンズにこだわる理由。
重たかろうが、大きかろうが、必要な機材は妥協せずに持参する、それがフィールドワークのポリシーだという経験である。
ロシア ギジ島教会
Nikon CoolpixAW130
1)ISO125,焦点距離73.1(409mm),露出補正0,f/4.9,1/640
EOS1DsMark3+EF28-300mm/f3.5-5.6LOSS
2)ISO800,焦点距離40mm,露出補正-0.33,f/16,1/500
3)ISO800,焦点距離300mm,露出補正-0.33,f/11,1/1000
4)ISO800,焦点距離90mm,露出補正-0.33,f/18,1/800
5)ISO800,焦点距離70mm,露出補正-0.33,f/18,1/1000
OlympusEM1+ZUIKO+ED7-14mm/F2.8pro
6)ISO8000,焦点距離7mm,露出補正0,f/2.8,1/60