房ちゃん「いらっしゃいませーー。感染症で大変だったからお久しぶりー!」
翠「だってアチキが空腹でフラフラですぅーっていうから、ここまで連れてくるのが大変だったの」
房ちゃん「亭主はフラフラ、顔はつっかえものがとれたようにすがすがしい!。やったね(^0^)、これ!!」
翠「うん、北ホテルのデイユースってのがあってさ。結構快適な部屋だったもん」
房ちゃん「まあ元気でよかったねぇー」
「あら!、オールドパーの下の楽譜がなくなっている!!」
房ちゃん「それがねぇー、あの後しばらくしてから作曲さんがうちに来たの!!。なんでも東京であまり旨くゆかなかったみたい。それで札幌の実家に帰ってきてスタジオのミキサーをしているんだって」
「ふぅーーん、それで楽譜は作曲家さんに戻ったんだ」
房ちゃん「もういらない楽譜だけどいって引きとっていったわ。それでぇー・・・、これ続きがあるのよ」
翠「楽譜の続きじゃなくて、小樽の雑貨屋さんの娘か・・・」
房ちゃん「(^0^)でっ、作曲家さんがうちでしみじみと飲んでいて、いかにも今も独りもんだっていう空気が漂っていたね」
翠「都落ちしてきたからねぇー」
房ちゃん「そう、それで私があの娘を思い出してんでしょうってからかったの?」
翠「でっ・・・」
「それで、作曲家さんは会えればいいよねといったのよ。それから私、あの娘の連絡先をしらべたもん。そしたら、雑貨屋さんは知ってたからすぐに見つかったの!」
翠「ラッキーだった」
房ちゃん「そうなのよ。それで彼女にアタシが電話したの。『あんたまだ一人?』って尋ねたら、『そうよ!』、という返事だったの」
翠「それで、それでぇーー」
房ちゃん「これでやったあ!、だよ。でね今日今お店に来ない?、タダになるかもよっていったの。でっ、その娘が暗い顔してやってきて、めでたく再開だよ!!!」
翠「房ちゃんが二人の仲を取り持ったんだ。すごーーい」
房ちゃん「何かの縁があってさあ、一緒に寝た男と女がくっついて一緒に暮らさなきゃ人間なんてつまんないよ」
翠「そうだねぇー」
房ちゃん「私ら庶民は、別にお高い恋愛なんか望んでいないよ。そんなの小説の世界だからさ。それよか一緒に暮らせる相手が見つかれば、それでお互いに幸せじゃない。長く暮らしてゆけば、お互いに恋心も沸いてくるんじゃないかなぁー」
翠「その先は?」
房ちゃん「雑貨屋の娘は、今札幌の彼氏のところで一緒に住んでいて幸せだよ。ときどきうちの店にも来るんだ」
翠「だって、房ちゃんが消えかけていた火をつなげたんだもん」
「オリンピックの聖火みたいですねぇー。だって火と火がつながらなかったら燃え尽きてお終いでしょう」
翠「そっかぁー、男と女の心は、いつも簡単につながるとは限らないからなぁー」
・・・
久しぶりに、房ちゃんお店のハンバーグにウォッカ!
軽く飲んだらしたたかに酔っ払ってしまった。
小樽の秋の冷たい風を感じながら、千鳥足で帰った。
今日は、もうできないな、翠を抱えながら程なく寝てしまった。
・・・
小樽も秋!。