感染病等に勤務する晃子さんは、夜勤から三日続けて病棟勤務だから泊まり込みだ。
その方が感染リスクが低いからよかろうというわけだ。
なかには家族と離れてビジネスホテルに寝泊まりするナースもいる。
だから勤務し出すと、およそ食事というものはお弁当ぐらいだし、食欲をタップリ満足させなきゃというわけだ。
それで夜勤前には、文さんの店に立ち寄ってビーフの蒸し焼きを食べながら・・・
晃子「ねえねえ、健さんっていつものスケベ親父している?」
文「そうよぉー、普段は俺は北海道の博労だといって、パカパカとお馬さんに乗って格好がよくてもさあ、布団に入ったとたんにただのスケベ親父だもんね」
晃子「それ、いえてる。何で男はそんなに格好つけたがるかねぇー」
文「だってさあ、夕べなんか・・、『文!、もっと股間をよくみせろ!!、なんていうわけよ』それで突然灯りなんかつけてじろじろと、私の股間を観察したり、指でグニョグニョしたりするわけ。私はパカパカあるくお馬さんじゃありませんよー、といっても知らん顔よ」
晃子「男ってみんなそうよねぇー。普段は格好をつけてるだけだよね。だってさあ中学校の校長先生なんか、回りからは人格者だなんていわれていても、蓋をあけたら教え子の中学生と援交していたなんて話はマスコミでよく登場するじゃん」
文「タダのスケベ親父なのに、格好つけすぎなのよ。もうこっちは笑っちゃうよ。もう一寸、自然にゆかんないのかなぁーと思うよ」
晃子「あまりにも落差激しいから、こちらはあら!、同じ人なのって思っちゃうもんね」
文「昔さぁー報道番組で偉そうに解説しているコメンテーターがいて、夜は彼女とバナナいれよう!、なんて話が週刊誌にすっぱ抜かれて番組下ろされたりしたもんねぇー。偉そうにしていても張り子の虎もいいところよ」
晃子「男は、そんなアホなところがあることを女はみんな知っているからさあ、何を言われても、小さい頃はお母さんにおちんちん洗ってもらったり、それで大きくなったらバナナ入れようだもん。頭たれて病院長の訓示なんか聞いているうちに笑いがこみあげくるよ!」
文「そうよぉー、だから普段から、そんなに格好つけなさんな!、といいたいよねぇー」
(*^▽^*)
女達は、男の全ての顔を知っているから、男が何かをいい散らかしても、何言ってんだかぁー、という聞き方しかしない。
だから男が偉そうに何かを言っても、女は、ハイハイ、そうでございます、と口を合わせているだけなんだ。
・・・
蒸し焼きのステーキを食べてスタミナをつけて晃子さんは病院へ向かった。
相変わらず感染者が減らない小樽である。
さあ小樽のミッドナイト・ジョブだ。
晃子さんは、巷の食を堪能して、およそ味覚のない食生活が続く病院の泊まり込み勤務に出かけた。
ばっちり夜の風景のなかに病院の灯りが皓々と輝いている。
ここだけは、厚さ15cmのコンクリートの壁の内側に夜という時間がない。