Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング521. 小説:小樽の翆449. 誤解と勘違いの連鎖

2021年10月22日 | Sensual novel

 

 さて芸術の秋などといわれても、デザイナーのアチキには縁がない。

秋の公募展に作品を出品して発表する季節だが、作品は冬頃描いているからアーティストにとって秋の実感はなさそうだ。

そんなわけで、こちらも水彩紙に絵具を転ばせてみるぐらいしか芸がない。

そんなことをしていると絵具が足りなくなってくる。

頃合いを見計らって画材屋だな。

頃合いというのは、明菜姉ちゃんが画材屋でたむろしている頃合いだが。

明菜「やっぱ、来るじゃん」

「隣のコロンビアでフルーツパフェだろ!」

明菜「あら葉書を抱えてらぁー」

「芸術の秋になると個展の案内が沢山届くのよ。それで返事を出さないのも不義理だから、遠来で成功を祈念して』とか書いて返事ぐらいはだすの。それでイラストのまとめ書き」

明菜「その魚はなぁーーに、小樽で見かけいないなぁー」

「一番上がイラブチャー、二番目がミミジャー、下がゴンベの一種かな」

明菜「全然知らない魚ばかり」

「沖縄の魚だもん。あっちの方が色が綺麗だし・・・」

明菜「ハァッ!」

「それで葉書をもらった方は、沖縄にいるから来られないんだと勝手に解釈してくれるよ。それでええんちゃう!、誤解の連鎖で。沖縄とは書いてないけどねぇー」

明菜「誤解は解かないの?」

「解かないよ!!、先方の考えたいようにほかしておく」

明菜「むっせきにん!!!」

「他人は、自分の考えたいように考えて納得する動物だよ。それが事実と合っているかなんて考えもしないよ。先方もむっせきにんさ。人間は、シェークスピア以来の誤解と勘違いの好きな動物だからね」

明菜「あのぅーー・・・、アチキー、祈念という字が違ってるよー!」

「アチャー、描き直しじゃん!!!」

なんとも、誤解と勘違いの連鎖で、しまらない1日だった。

・・・

小樽も秋!

コメント
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