建設中の超高層ビルの工事現場に、ジャケスラにメットという出で立ちでゆかされたぐらいだから、つぶれかけている建築も見にゆくのはお安いご用だ。ウクライナ、レブィフから車で3時間ぐらいのところにあるロニ村の教会の調査に便乗した。今の教会は別の場所に建設されており、教会としての使命はないが文化財としての役割がある。
ウクライナの文化財であるが、便乗したときは建築としての用をなさず補助部材でかろうじて支えられている状態だった。これからウクライナ政府に保存の要請をだすのだろう。土台が痛んでいるから解体修理というのが日本の常套手段だが、この地方では、これまでおこなわれてこなかった方法のようだ。
そんな話を聞きながら、このユニークな形状の教会を回ってみた。見るアングルによって風景が違い面白い建築なのだろう。
後のこの教会は修復されていることが科研の報告書に記されていた。
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アンセルアダムスみたいに、そんな言葉を聞いた。なるほど周囲の田園風景は、何もない平原だからこそ、写真的なんだろう。クリアな太陽、ぎらぎらと反射する樹木、それでいて暑くはない。地平線から日が昇り、そして沈む、モノクロで撮るとロシアのアンセルアダムスというわけだ。
帰り道の15分間、オリンパスEM1をモノクロに設定し28mmの画角でアンセルアダムス風の撮影に没頭していた。湿度が低いとこんなにも風景が綺麗だということを痛感した。
参考文献
科研費整備事業研究成果報告書:ウクライナ木造建築教会堂群保存手法の構築、研究代表者:上北恭史(2018.6.13)
https://kaken.nii.ac.jp/en/file/KAKENHI-PROJECT-16H04483/16H04483seika.pdf
OlympusEM1+M.ZUIKOED7-14mm/F2.8pro