Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング535. 小説:小樽の翆463. 野菜本位の定食屋

2021年11月06日 | Sensual novel

 

 味一は、昔からある定食屋だ。

ただ、ここはチェーン店の定食屋と違って野菜メニューが多い。

カレーライスが売りだが、もちろん野菜がたっぷりはいったカレーだ。

なによりも北海道の食材をつかったサラダが旨い。

主もダイエットには、一家言を持っている。

「チェーン店で食べていたら野菜がものすごく少なくて肉ばかりでしょう。それだとジワジワと太るだけですよ。それが本人は太ったとは思わず、体力がついたと錯覚させられちゃうのよねぇー、それって歳とったときに体脂肪がバッチリついているから、ちと怖くないですかぁー」

そんなわけで、サラダだって北海道の食材がたっぷりはいった大きな器で出てくる。

いつも農家から直接野菜がとどくようだ。

だから主は朝、野菜の仕分けをやったり煮物をつくっている。

それからお昼や晩飯の用意をするから、店が開くのは遅いほうだ。

今日は、カボチャがある。

それに鯖と大根の煮付けにしようかな。

そんな風に肉や魚よりも野菜の量が多い定食が中心だ。

だから翠もしばしば訪れる。

翠「この店ってものすごく貴重だよ」

そして夕方残った野菜は一袋100円で売っており、お家の翌朝のサラダで食卓に並ぶだろう。

それにハーブ類も販売しているから、若い主婦がしばしば訪れる。

そんな野菜本位の定食屋なんだ。

最近、外食するならこの店が多い。

・・・

小樽も紅葉が終わると、ダラダラとした冷え込む気候だ。

まだ雪が降るには早く、すごしやすいような、それでいて寒い季節である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする