パンデミックのため1年3ヶ月間家に閉じこもっていた。そしてようやく沖縄那覇空港に降り立った時、夏の空気と沖縄の風土に大きな違和感を感じた。それは常宿の窓からすすけた街の風景をみていても続いていた。なんだろう、その違和感というのは・・・。
だから営業再開したばかりのいつものスナックに出かけだ。そこには昔若狭の旅館を切り盛りしていた常連の元女将がきていた。少しずつ過ぎ去った時間が戻ってくるようだ。
だが、翌日最初のダイビングで全てがリセットされたかのように、いつもの沖縄の空気になじんでいた。
ダイビングも、しばらく間をあけると、先ず耳抜きができるかとする不安がある。これができなければ潜れない。不安は、そんなところから来ていたのかもしれない。それに沖縄に住処を構えようとする情熱も失せていた。パンデミックがもたらした私の意識の変化だ。
出かけてみれば週末のため、予想に反してダイビングボートは定員一杯のダイバー達を乗せていた、なんだあ、地元で結構盛んにやっていたのか。こちらは一人取り残された気分だった。
夕方、沖縄の友達と食事をするために旭橋まで来たら、昔の定宿は感染症病室になっていた。西日に照らされた窓にはカーテンが閉められている。空調機の排気ダクトから病院的な臭いが周囲に漂っている。もしあっち側にいたら、健康に歩く人々の姿を恨めしく眺めていただろう。陰惨とした世界にいなくてよかった。
そのホテルのロビーには、段ボール箱が山積みされ、会議テーブルに受付の事務員が一人座っていた。玄関のミッドナイトチェックインの張り紙が、空々しく見える。あっち側にいなくてよかったと思いつつ、マスクを密着させ足早に通り過ぎた。
さて、ダイビングはいつもの魚眼レンズのGopro7とニコンのW300だ。ニコンは、マクロ撮影やアップは特異だが、水中のランドスケープは悲惨な画像しか撮れない。ポイントやバッテリーの減り具合を勘案しながら、それらをチョイスしてゆく。
潜れば、いつもと変わらないデバスズメダイの群れに遭遇していた。
違和感といえば、ニコンW300の画像をiPhoneに送信できる機能が付いている。しかし、ニコンのSnapBridgeアプリに、これまで一度も送信できた事がない。このあたりが、やはりダメニコンだ。昔フィルムスキャナーのバグで尋ねたら、遅がけにWindowsの回答をくれたが、私が尋ねたのはMacであった。このあたりの悪しき風習が今も踏襲されているから、デジタル通信に弱いニコンの通信機能は使用したことがない。
沖縄県慶良間諸島
Nikon CoolpixW300
1)ISO125,焦点距離7.8mm,露出補正0,f/4.3,1/320
2)ISO125,焦点距離10.1mm,露出補正0,f/4.4,1/160
3)ISO125,焦点距離21.5mm,露出補正0,f/4.6,1/320
4)ISO100,焦点距離16mm,露出補正-1,f/8,1/500