Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング562. 小説:小樽の翆490.いつもの小樽時間

2022年01月02日 | Sensual novel

 

 毎年恒例なんだけど、看護師の翠はお晦日から夜勤勤務をかってでている。どうしてもお盆を実家ですごしたい看護師達のために、通勤時間徒歩10分の翠の役が回ってくる。

翠「大晦日の夜勤ってなんか特別の空気があって好きなんだ。

だって遠くで紅白歌合戦が聞こえるじゃん。このときは病院の先生も大目に見てくれるの。そのほうが精神的に良いってさ。それが終わって窓をあけると小樽のお寺の除夜の鐘が遠くで聞こえるの。それで巡回も終わってナースステーションに戻って休息タイム。今年はシホさんとだったの。それで縛り撮影の話で笑い転げていたわけ。そんな風にして朝を迎えると元旦の朝だよね。雪道を歩きながら、いつもより静かな街の朝の空気がおいしいのよ。

それで家に帰ると、アチキが寝ているでしょう。脇に滑り込んで、アチキのペニスにおめでとうといって寝るのね」

「どうりで朝、なんかまどろんでしまう時があったな。アチキはまた寝ちゃったけど」

夜になると翠は、夜勤だよーといってアチキにキスして出勤していった。

そんなわけで、二日続けて寝ているとさすがに躯をもて余すので朝のドライブに出かけた。さしあたり湖をめざそうか。お正月は車で外出する人間も多いから、結構まめに除雪をしてくれる。

スケッチを描きながら、去年も同じ風景を描いていたことを思いだした。風景を描くというのは、少し心が過去へ引っ張られてリフレッシュするみたいだ。

またいつもの小樽時間が始まる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする