正月も5日までくると、翠も日勤になった。
今日は、ようやく人並みに暮らせそうだ。といって冬の朝は、いつまでも布団に籠もっていたいのだが・・・。
そうしていると、布団に体の跡を残して翠は病院へ出かけてしまった。残されたアチキは味噌汁を温め直し親子丼でもつくろうか。そうこうしていると昼も近い。ならばレンタカーで遠出をしてスケッチ旅行に出かけよう。
下界のといっては、世界に対して失礼なのだが、それでも居心地の良い家暮らしをしていると、家の外はすべて下界感覚というのが雪国なのだが・・・。
その下界の山野を車で徘徊している。どこも雪ばかりだ。それじゃ単調な風景だ。雪のない丘にしてしまおう。その点で絵は自由に描けるから便利だ。画像では、そうはゆかない。
そんなことをしていると、日没の予感。こりゃ戻らなきゃ
だって雪国の夜は白い道しか見えないから、単調極まりない。時折鹿とか、運が良ければ熊とかに遭遇するかもしれない。
鹿といったってでかいのだよ。車にぶつかれば、こちらは大破だ。もちろん鹿は昇天してくれるが・・・。熊といったてってこれも重たい。車のライトでピカッと光ったら最後、跳ね飛ばして車は大破だ。そうなるとJAFを呼べばよいのだが、『何々熊と衝突したんだって!』といってメディアと一緒に来られても適わない。
そんなわけでまだ空が明るいうちに帰ることにした。帰り着く頃には、翠が夕飯を用意し、『お風呂にはいれるよ』というだろう。
夕飯を食べれば、翠を抱えて頭から布団をかぶって愛撫しまくる。
まあそれで翠を絶頂の頂点にゆかせて、アチキは射精して、二人とも脱力感で寝てしまう。
まあどこでもやってる大人の時間なのだが、冬の雪国の暮らしは、それが幸せの原動力なのだ。寒い冬を乗り切る暮らし方というべきか。