ダイビングを終えて酸素も少なくなった頃、頭上に見えるボートは、生命線だということを痛感する。これがなければ、ダイバー達は海に浮かんでいるほかない。
伝え聞いた話では、実際にボートで急病人が発生し、島の診療所へ救急搬送したことがあった。そのとき救命胴衣やボートなどを海上にばらまき、ダイバー達は船の帰りを海上で待っていた。やがてボートはフルスピードで戻ってきた。ボートに上がったら室内の備品などが全て散乱した状態だったと聞いた。
船は、海上に出たダイバーを見捨てることは絶対にしない。
慶良間諸島にゆくときは、そのときの状況によって30人のボートが異なる。それぞれに個性があって面白い。
アジュメールはお昼が船長ファミリーの手作りであり、カレーやタコライスなどに温かいスープが付いてくる。そしてデザートにパイナップルやグレープフルーツが必ず出てくる。
フラップは、ドリフトダイビングなど、様々なダイビングにつきあってくれる。こじんまりしているけどフランクな空気のあるボートだ。
ファミーユは50人乗りの大型船だが、そのわりには船足が速く、そして室内も広いからダイビング機材も余裕でおくことができ、さらに上甲板は、夏の太陽を浴びて肌を焼くのには最適の場所だ。つまり万事コンセプチュアルな船だ。
那覇港から慶良間諸島まで、およそ1時間。この時期は北風が吹き、2mを越える波がたつ。ボートは揺れに揺れながら慶良間諸島にたどり着くし、それができないときは中間地点のチービシ諸島迄となる。冬の時期の特徴である。
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