この日は、小樽滞在二日日で西高東低の冬型気圧配置に加え二つの低気圧が小樽の沖合を続けざまに通過していった。街は猛吹雪、そして飛行機は欠航していた。だから積丹へゆくのはあきらめ図書館に籠もっていた。
しかし街は見事な雪の風景であり、実は雪がやんで一時晴れることもある。そこで、それって!、わけで移動する。思うに雪の街はフィルムで撮影すると、愛好家の集まりがあってもよいと思うぐらい美しい。多分今後密かなブームになると断言する!、いや既に密かなブームかもしれない・・・。酷寒の寒ささえ耐え忍べばだが。
図書館の視聴覚室を借りて大きな地図の複写をしていた。遅いお昼は於古発川(おこばちがわ)沿いに下り五香飯店で餃子定食だった。昼間でも気温は零下だっただろう。
ホテルに戻り暖かい部屋の午睡が心地よい。そして夕方フィルム機材をかついで街を徘徊していた。少し歩けば車の屋根のように、雪がダウンコートとリュクの間に積もっていた。そしてとんかつ屋の「うみのや」に行く頃には、ブルーのダウンコートが白かったし、ニコンF3も雪の塊が張り付いていた。手で払いのけようとしても凍っているから排雪できない。こりゃ暖めるほかない。もちろんそんな酷寒に外を歩く人は少ない。
冬の北海道を体験した1日だった。こんな酷寒でも人が住んでいる事のほうが、不思議にさえ思われる。
しかし新雪の景色は美しく、フィルム機材で撮影したのは正解だった。そしてホテルに戻り鍵を受け取るやいなや大浴場に直行し、熱いお湯が身体をジビレさせてくれた。酷寒に銭湯、これはセットだ。部屋のバスではお湯を張るのに時間がかかる。そんな面倒なことをしなくてよいのが銭湯だ。
小樽市
NIKON F3+MD4,Carlzeiss Dostagon25mm/F2.8,Tri-X400
Tri-X400+2増感処理、現像所:写真弘社