小樽は、教会が多い。なかでも中世ロマネスク様式とゴシック様式を混在させた地獄坂の途中にある富岡聖堂は観光名所でもある。
しかし建築を勉強したものとしては、住之江聖堂に関心がゆく。1897年頃建設された旧佐々木静二宅を昭和期にカソリック教会に引き取られ改装された経緯がある。だから、れっきとした明治建築だし、その増改築の名残をみるのも愉しい。そして先の富岡聖堂は、住之江聖堂に常駐する司祭によって管理されている。
まあ書かれてありそうな事はほかしておいて、実はこのブログで書いている官能小説「小説:小樽の翠」に登場した教会だ。イラストも描いたし、ストーリーでこの教会を舞台に使っている。
小説の舞台を訪ねるという企画は数多いが、小説の執筆者が訪ねると少し気分が異なる。そこは私小説であっても、書いている人間だけが感じる面白さといったらよいか。そこで登場人物達と会話している気分といったらよいか、或いはストーリーと現場の一致作業とか・・・、これは一寸痛快だ。
それにしても高台にあるから、海からの寒波をまともに受けるのだろう。建物周りは、雪の塊で建築を楽しむどころではない。しかもミサをしている時間なので内部は遠慮した。
それでも白い雪に白い建築が大変よく映えているのは、素晴らしいではないですか。美しい教会だ。
580住之江教会