1989年に初めて米国出張をし、海外会社に新システムの活用展開のお話をしに行った。まずは、入国手続きで手間取り、冷や汗をかいた。JFK空港で肉の臭いが脳裏に焼き付き体調を悪くし、これからの1週間どうなると不安が高まった。IBM研究所の専門家との次世代システム意見交換も共感しあいたかった内容が通じず、ごまかしで終わった。市場調査も、新たな情報を得ることはできずに、苦戦の連続でした。やっと、西海岸に移動して、落ち着きを取り戻し、獲得したい情報を幸運にも得ることができたが、あらためて英会話力の貧弱性を感じ、悔いが残る初渡米でした。ただ、帰りのJALは、ファーストクラスが空いていて、追加料金なく変更してもらったのだが、あとから思うと一生の思い出となった。
パナソニックの元社長の中村邦夫氏が、死去された。アメリカ松下社長から、2000年6月に当時の松下電器産業の社長に就任され、即、自ら事業部長にiモード携帯情報交換を指示された。当時、全社的な業務改革推進担当であったので、しまったと思ったのを覚えている。翌年の中村社長へのプロジェクト事業計画を説明した時も、副社長と何かをしゃべっていて、こちらの報告はあまり気にしていらっしゃる様子でなかった。IT部門の経営へのかかわり具合の薄さを感じた場面でもあった。
お豆腐の移動販売車が、最近週一ぐらいで、自宅前の細い道を「ピィーポー、おいしい、お豆腐はいかがですか?」とやってくる。明治24年創業、老舗の有名なお豆腐屋さん、10年前から移動販売をやっているという。しかし、ただ、お客さんが家を出てきて買いに来るのを待つだけの売り方では、商売にならないと思う。地域にチラシを配り、優れものの豆腐をもっと積極的にPRすべきであると、思わず言ってしまいそうであった。
現役時代は、『お客様第一主義』を指針として徹底して行動し、今でも、お客様の需要をタイムリーにキャッチすることが、企業活動の第一歩だと信じてきた。先日、少し刺激ある情報が目に留まった。問題に出会うとその解決方法の最適解を見つけようとするのが、古いタイプの人間。新しい人間は、問題を探し出すことから取り組むとのこと。役にたつことを求めてきた時代から、これからは、意味のあることを追求することがキーワード。ベテランや専門家に頼るのではなく、よそ者・若者を生かすことを考えるのが、新しい時代への道とのこと。まさに、ニュータイプの時代に突入している。