終点の某駅よりも2つ手前のバス停で、一人のおばあさんがバス専用カードで精算して降りようとした。ところが、運賃310円のところカード残額が180円しかなかったようで… 130円不足になってしまった。私が「すいません、130円足りないようですが…」と声を掛けると、おばあさんは「あら… ちょっと待って…」と言いながらバッグから巾着袋を取り出して、「これでお願いできる?」と言って電車&バス共通カードを取り出した。私は「すいません、カードの種類が違うので、それでは精算できないんですよ… 現金でもいいのですが…」と言った。すると、おばあさんは「皆さんを待たせちゃいけないから… あとで終点の某駅まで持って行くわ。それでいいでしょ?」と言ったのである。私が「ん?」という顔をしていると、おばあさんは「それじゃ、また帰りもココからバスに乗るから、そのバスの運転士さんに言って渡せばいいよね」と言った… 私は「そういうのは、こっちが考えて言う台詞だろう? あんたが言うべきことではない!」と思いつつ、もう一度「現金でもいいのですが… お持ちじゃないですか?」と尋ねた。すると、おばあさんはサッと財布を取り出して1000円札を出したのである。私はすぐに自分で両替をして、130円を手の平に載せて見せて「130円、頂戴いたします」と言いながら運賃箱へ入れた。その後、私の頭の中では「グダグダ言ってないで、さっさと金を出さんかい!」という映画に出てくるチンピラの台詞が駆け巡っていた…