夜、某駅発… 乗客は20~30名だった。車内には“酔っ払い臭”が充満していたので、運転席の窓を少し開けて、バスの換気扇を回して排気しながら走っていた。
窓から流れ込む外気が冷たく、直撃を受ける私はちょっとだけ寒かったが「換気するためだ」と思って我慢していた。また、先日の話もあって、私は「お客様は大丈夫だろうから、暖房を入れる必要はない」と思っていた。
ところが、途中のバス停で止まった時に、一人の若い女性が運転席の横までやってきて「運転士さん、すいません。寒くて風邪を引きそうなんですけど…」と言ったのである。もちろん、私はすぐに暖房を入れたのだが…
う~む… もう、私には分かりません… 以前「考えても分からないんだから、自分に合わせればいいんだよ」と、ある先輩運転士に言われたことを思い出した。でもなぁ…
以前、左肩の位置から引っぱり出す3点式シートベルトは、右脇腹がくすぐったくて運転に集中できないという話を書いたけれど… そのシートベルトには、もう一つ問題点がある(私だけかもしれないが…)。
これまで乗ってきたマイカーにしてもバスにしても、最初に自分の体に沿ってシートベルトをしたら、ほとんどそのままの締め付け具合で走り続けることができ、不快に思うことはなかった。
しかし、この左肩から引っぱる3点式シートベルトだけは違っていて、走っていると徐々に締め付け具合がきつくなるのである。私は冗談でMだの何だの言っているだけで、実際には痛いのも熱いのも嫌いなのだ(当たり前か…)。
今日も、運転しながら何度もシートベルトを引っぱって緩めたのだが、すぐに締め付けられて気分が悪かった。こうなれば、何とかしてシートベルトの締め付けを止めなければならない。シートベルトの意味がなくなるほどダラダラに伸ばしてはいけないが、体に沿った状態で止める分には問題ないだろう。以前、ベルトを止めている運転士を見たけれど、ようやくその気持ちが分かったような…
もしも、本当にMな運転士がいたら大変である。このシートベルトをして走っていて、バスが道路の段差で「ドンドン!」となって、シートベルトが「ギュッギュッ!」と締め付けて、思わず運転士が「アヘアヘ!」なんて… あ、だから私は違いますからね!