バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

おばさん 怒りの絶叫

2009年12月25日 21時11分40秒 | バス運転士

午前11時半過ぎ、降車ランプが点灯していたので、私は「ご乗車ありがとう…(以下略)」と言いながら減速を始めた。バス停の手前20mほどの歩道上を二人の女性(貫禄のあるおばさんと、買い物カートを押しているおばあさん)が歩いていたので、私は乗客か否かを見極めるために二人を注視し始め… その時、おばさんが振り返って手をあげたので、私は「バスに乗るんだ」と思った。

私はバス停でお客様を降ろしてから、乗車扉を開けて二人が来るのを待つことにした。が、二人の足取りは重くて遅かった… 私は「本当に乗るのかな? 私のバスに対して手をあげたのではなかったのか?」と不安になってきた。その時、後方で乗用車のクラクションが鳴り、続けておばさんの声が聞こえたような気がした。そのバス停は某飲食店の前にあるのだが、その駐車場へ入ろうとした乗用車が、歩道を歩いている二人にクラクションを鳴らしたのだろう… アホな運転手だ。

その後、引き続き左ミラーで見ていたが、おばさんたちの重くて遅い動きには変化がなかった。私は「やっぱり私の勘違いか… このバスに乗らないんだな」と思って、乗車扉を閉めて発車しようとした時… 後方で再びクラクションが鳴り… 続けて「鳴らすなバカヤロー! 歩いとるだろうが! 見て分からんのか! このボケ!(言葉は正確ではないかもしれないが、だいたいこんな内容の叫びだった)」と怒鳴るおばさんの声が聞こえた。少しビビった私は再び乗車扉を開けて、車外スピーカーに切り替えて「乗られますかぁ~?」と大きな声で尋ねた。すると、おばさんは「乗らないですぅ~!」と優しく答えてくれた。アチョオ~!