午前10時頃、運行時間に“余裕のある”路線を“乗客ゼロ”で走り出した。二つ目のバス停で少しだけ時間調整のために止まり、「そろそろ発車…」と思ったところ、左前方から手を挙げて走って来るお爺さんを発見した。
私は「ちょっと時間がかかりそうだなぁ~」と思ったので、再びエンジンを止めてハザードランプを点滅させながらお爺さんを待った。
約1分後、お爺さんが乗って来て、開口一番「このバスは、ここが始発?」と言ったのである。多分、誰も乗っていないバスがずっとバス停で止まっていたから、そう思ったのだろう。私は「何を言っとりゃ~す。あんたを待っとったんだがねぇ~!」と… 心の中で叫んだ。