バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

いつもと違った真夜中のバス

2011年02月05日 22時36分27秒 | バス運転士

今の営業所で最も夜遅い仕事は、市内中心部を午前1時半に発車して、地下鉄の路線沿いに東へ向かうバスである(土休日を除く)。いつも車内はギュウギュウ詰めの超満員、道路は違法駐車のオンパレードなのだが… なぜか先日は乗客も座席の数と同じくらいの30名ほどと少なく、違法駐車の数も半分以下だったような…(やはり2月は飲みに行く人も少ないのか…)

その約1時間前には逆方向… つまり地下鉄最東端の駅から中心部へ向けて走ったのだが、こちらも少しだけいつもと違っていた(もっとも“いつも”なんて言えるほどの回数をやっていないけれど…)。乗客が10名にも満たないのはいつも通りだったが、今回はその中の一人がかなり酔っ払っていて「○○行きでぇ~すぅ…」と小声で言いながらフラフラと乗ってきたのである(○○とは中心部へ向かう途中の駅名)。それでもキッチリと400円を払ったので、私は「特に問題はないか…」と思った。

発車してしばらくすると、そのオジサンはフラフラと席を移動したり、何かブツブツと独り言を呟いたりしていたのだが… いつの間にか静かになっていた。そして「次は○○停…」とアナウンスが流れると、「ピィー!」と降車ブザーが鳴った。私が○○停で止めて扉を開けると、一人の男性が降りたのだが… 肝心のオジサンに動きがなかったのである。

「まさか!?」と思ってマイクを通して呼び掛けたけれど反応なし… 「こりゃ駄目だ!」と思って運転席を立って近くへ行き、再び大きな声で呼び掛けると… オジサンは「お、お、○○!? そう… ○○… 降りまぁ~すぅ…」と言いながら、閉まっている前扉(乗車口)の方へ歩き出したので、私は急いで運転席へ戻って前扉を開けた。これが、乗客の少ない中心部へ向かうバスだったから良かったけれど、逆方向の超満員のバスでは何もできずにそのまま終点まで行ってしまうだろうなぁ…