先日の夜、始発地点の某駅で3人の男性が乗った。発車時刻が近付いて「あ~ぁ、それでも案内をしなきゃならんのかぁ~」と思いながら、喋っていたところ… 静かだった車内に、突然! 男の大声が響き渡った。
驚いた私は「えっ!? 乗り間違え? 何かアクシデント? それとも私が案内を間違えたのか!?」と思って喋るのを止めたのだが… ただ、その男が“携帯での通話を始めただけ”だったのである。
とりあえず様子を見ようと、再び案内を始める私… しかし、どこまで喋ったか忘れてしまったので、適当なところから再開した。その間も、携帯オヤジは「今バスで~」「あと○○分で~」などと話し続けていた…
私がバスを発車させても、オヤジは話を止める気配もなく… 「あ、△△ちゃんの電話番号ゲットな!」「今日の使命は△△ちゃんの電話番号をゲットすること!」などと盛り上がっていた。
私が「そんな馬鹿な会話を大声で… いい年こいて恥ずかしくないのかなぁ~」と呆れているうちに、オヤジの話は終わってしまい… 注意するタイミングを逃してしまった。
約40分後、終点の某所に到着して数名の乗客が降り… と、一人の男性が運転席の横までやって来て「ここから××駅へ行くバスありますか?」と言ったのだが… その声は「△△ちゃんの電話番号ゲット!」の声と同じだった。
そのコートの色といい、座っていた席といい… 間違いなかった。私は機械的に「あそこのバス乗り場で見てもらえますか?」とだけ答えると、サッサと回送で営業所へ走り去ったのであった…
もしも、そのオヤジに携帯での通話がなかったとしても、若い女性だったとしても… 今は「これから回送で□□方面へ行きますので、途中の◇◇まで乗せて行ってあげますよ」なぁ~んて言えない“冷たい時代”だからねぇ… その点では、私の気持ちが「可愛そうに…」「大丈夫かなぁ…」などと苦しまずに済んだので、携帯オヤジに感謝ってことかな? ハハハ…