朝8時過ぎ… 営業所前ターミナルのバス乗り場には、お爺さんと若い女性の2人だけが立っていた。が、お爺さんは時刻表を書き写しているだけだったので、女性だけが黙ってバスに乗った。
しばらくして若い男性が乗ったのだが、運賃箱と私には目もくれずに通路を歩いて行こうとしたので、私は彼の肩を軽く叩いて呼び止め… と同時に、彼が「※★◎▼~」と英語で喋り始めたのである。しかも私には背中を向けたまま… 「なんじゃコイツは!?」と思っていたら、先に乗っていた女性が「◇×☆▽~」と英語で喋りながら席を立ってきたのだった…
女性に促された彼が無事に運賃精算を終えたところへ、さらに2人の男女が英語を喋りながらやって来て、4人でペラペラと喋っていた… 後から来た2人は見るからに外人さんだったのだが、その前の2人はパッと見ただけでは分からないアジア系の外人さんだったのかも…???
発車時刻になり、その4人だけを乗せて発車しようと思ったのだが… 二番目乗った男性が立ったまま喋り続けていたので、私は「Sit down,please」と… 言えなかった。「シットダウンプリーズ」なんて発音では伝わらないと思ったからだ。かつて、たった一言「coffee」が伝わらなかったという苦い思い出があるから…
結局、私はいつも以上にそぉ~っと発進して、もちろん何も起こらなかったのだが… しばらくして“なぜか日本語がチラホラと聞こえてきた”のである。な、な、なんだぁ~! 誰だか分からないけど、日本語が分かるのかぁ~!? だったらダメ元で言えば良かった… 次回はそうしよう! それで駄目だったら「Sit down,please」と書いて見せればいいんだよな! あ、そうじゃん。今回も、そうすれば良かったんだ~!
と思って、ちょっと検索してみたら… 「Sit down,please」という言い方は命令調なので、お客様に使うには不適当だとか… あれまぁ~、言えなくて正解だったのか!? そう言えば… 余計な一言(運転士は必要だと思った一言)を言ったばかりに、それが苦情となってしまったという話を聞いたこともあるし… う~む… やっぱり今後も“ゆっくりと発進する”しかなさそうである。