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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

どうしようもない恐怖!?

2013年02月16日 23時30分27秒 | バス運転士

何年前だったか… ある夜、終点の某駅から営業所へ回送で帰る時に、バスが動かなくなってしまった(原因はギアが入らなくなったと記憶しているが…???)。そこから営業所までは僅か500~600mだったが、自転車じゃないので押して行けるわけもなく… 私は営業所へ電話をして助けを求めた。

しばらくすると、2人の先輩運転士が1台のバスに乗ってきて、私のバスをロープでつないで… 1人は私のバスに乗るのかと思いきや、私のバスには私だけだった。そして、バスはゆっくりと動き出したのだが… 前のバスとの距離がとても近いため、反射する自分のバスのヘッドライトが眩しくて眩しくて… 私はヘッドライトを消して、フォグランプ点灯とハザードランプ点滅だけで牽引してもらっていた。

私には前のバスの“お尻”しか見えない状態だったので、目の前のブレーキランプに神経を集中させ続け、移動開始から約5分で営業所の前までやって来て… あとは片側二車線の道路の右側にある営業所へ入るだけとなったところで前のバスが止まり… 数秒後に「ブ~ン」と一台の対向車が走って行った。

その後、前のバスがゆっくりと動き出し、私のバスも引かれて前進し始めたのだが… その時! そこまで目の前にいたバスが右へ曲がったことにより、パッと開けた私の視界に“1台の対向車”が飛び込んできたのである。私のバスと前のバスの間を「突破するぞ!」という勢いで… しかし、そこには牽引用のロープが… そして「バリバリバリィ~ン!!!」と対向車のフロントガラスが割れてしまったのである。

その後、警察が来て… 私は何も聞かれなかったけれど… ある上司からは「松井くんがヘッドライトを点けていれば…」と何度も何度も言われてしまった。が、私は「フォグランプとハザードは点けていたし… それは大きな問題ではないだろう」と思ったので、ただ「はぁ…」と生返事をしていたのだが… あの時の“結末が分かっていながら何もできない気持ち”というのは、何とも言えないモノであった。