バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

ボケの呼び止め

2017年07月21日 21時17分42秒 | バス運転士
満員の状態で乗降客が多いバス停に止まった時、まずは両扉から一斉に降りてもらうのだが、その際、扉付近に立っていた人は、自分が降りるバス停でなくても、とりあえず降り… 降車完了後に再び乗ってもらい、その後、バス停で待っていた人たちにも乗ってもらう… というのが、一般的なパターンだと思われる。

先日、そのようなパターンでバス停に止まった時のこと… ミラーなどで車内の状況や両扉から降りる人たちの様子をうかがっていて、「そろそろ降車完了かな」と思った私は、車外スピーカーを通して「お待たせしましたぁ~ ◎◎行きです~」と案内をした。

まずは、先頭で待っていたと思われる生徒さんがIC定期券をピッとやって乗り… 続いて、スーツ姿の男性が乗って… 乗って… 何もせずに素通りしたので、私は「すいませぇ~ん」と呼び止めた。すると、「さっき、乗っとっただろう!」と怒鳴られてしまったので、まさか“バスから降りた人よりも先に、バス停で待っていた人が乗るとは思っていなかった”私は「あ… そうでしたか… すいません…」と言うしかなかった。

終点に到着すると、その男性が前の方へやって来るのが車内ミラーに映ったので、私は「申し訳ございませんでした」と再び謝罪した。しかし、「人が好意で降りてるんだからさぁ~ ちゃんと見とらんといかんと思うよ」と言われてしまったので、私はもう一度「はい、申し訳ございませんでした」と謝罪したのだった… が、多分… ボケはいつかまたやってしまう可能性が… しかも同じ人を呼び止めちゃったりして!? ま、それはそれでネタになるからいいか。ハハハ…


おしゃべりに夢中のお婆さん

2017年07月20日 22時09分08秒 | バス運転士
夕方の某転回場… 次の発車まで20分くらいあった私がトイレへ行った時、バス乗り場の方から元気なお婆さんたちの会話が聞こえていた。聞き耳を立てていたわけではないので、どんな話をしていたのかは知らないけれど… かなり盛り上がっているようだった。

水道で洗った手をパタパタさせながらバスに戻り、左隣のバスの運転士さんに「何分の発車?」と尋ねたら、「53分です」との返答があった。「松井さんは?」と聞かれたので、「えぇ~っと… 08分!」と答えた。その後、我々が雑談をしている間に、右隣の他営業所のバスが乗り場へ移動した。

しばらくして、そのバスが発車するのを確認した左隣の運転士さんが「じゃあ、行ってきます」と言ってエンジンを掛けたので、私は時計をチラ見して「まだ発車まで2分30秒くらいあるじゃん」と思いながら「いってらっしゃい、気を付けてぇ~」と言って見送った。それから私は車内でコーヒーを一口・二口… 「あぁ~ 眠たい」と呟いた。

発車時刻の3~4分前になり、私が運転席に座って準備をしていたら… いつの間にか、前扉の外に一人のお婆さんが立っていたので、一瞬「まだ明るいのに出たのか!?」と… 否、普通に驚いた。そして「なんじゃらほい?」と思いながら扉を開けると、お婆さんが「ねぇ、50分の※※行き、どうして来んの!? ずっと待っとるのに!」と大きな声で言ったので再び驚いた。

が、すぐに私は先程の光景を思い出し… 「いえ、さっき時間通りに出ましたよ。私がここで53分発の運転士さんと話をしていた時、※※行きのバスが乗り場に止まっていましたから…」と教えてあげた。すると、お婆さんは「えっ!? そう? あら… なんで… 気が付かなかったのかしら? まぁ…」とブツブツ言いながら乗り場の方へ歩いて行った。

私は、お婆さんの後を追うようにバスを乗り場へ移動… 前扉を開けた。すると、お婆さんがもう一人のお婆さんと一緒に時刻表を見ながら「次の※※行きは何分だでね」「じゃあそれに乗って行くわ」などと話していたのだが… 住宅地の中にある静かな転回場なのに、バスが移動して来ても気が付かないくらい夢中になる話題って何だろう? 健康食品の話? 遺産相続の話? それとも輪廻転生の話かな? ハハハ…(なんのこっちゃ!)


だがや場所

2017年07月19日 19時01分48秒 | バス運転士
毎年、この時期には、某路線の某バス停の真ん前にある某宗教施設の中に“のぼり”が立っている。そう、お相撲さんがやって来ているのだ。だから、私のバスにも乗ることがあり… 今場所は、今日までに2回だけ乗せた。ただし、私でも分かるような有名なお相撲さんではない。

1回目は先週… 2人が“部屋”のあるバス停から地下鉄の駅があるバス停まで(大抵の場合、その2区間だけ)乗った。そして、途中のバス停を発車した瞬間、お相撲さんの1人が降車ボタンを押すのをたまたま目にした私は、思わず「カワイイ」と思ってしまったのだが… やっぱり“押し負けたくない”のかな? なんちゃって~

2回目は今日の午前11時前… 1人が地下鉄の駅があるバス停で乗り、部屋のあるバス停で降り… それと入れ替わるように、毎度のことながら数名のお年寄りが乗ってきた。んが! その時は、若くて綺麗な浴衣姿の女性2人も乗ってきたので驚いた。

「ひょっとして!?」と思いながら、車内通路を歩いて行く彼女たちの後ろ姿を見たら… 腰に“某横綱の名前が入ったウチワ”が差してあったのである。やはり、某横綱たちの稽古を見学に来ていたようで… そうだ! 我々運転士の名前入りグッズを販売、応援してもら…(きっと、一番人気は“名前入りハンマー”で、「何分遅れとるんだ~!」と叩かれるのがオチだな。ハハハ…)

寝ぼけていた… かな?

2017年07月18日 18時46分10秒 | バス運転士
一昨日のテニスイベントの疲れが残っていたのか… 昨日の勤務前半(朝6時半から昼12時頃まで)は、睡魔と戦いながらのA駅経由B駅行き3往復となった。途中で何台ものバスと擦れ違いながら2往復を終え、某住宅地で約30分の休憩後、前半最後のA駅経由B駅行きを走り始めた。

出発して3つ目のバス停で止まっていたところ、後方から来た他系統バスが右ミラーに映ったのだが… その時、私は「ん? あのバスには何かがヒラヒラと… あっ! 今日は日曜日じゃなくて祝日ではないか! 国旗を立てるのを忘れてた! ホント、寝ぼけとるなぁ~」と気が付き、「ここで立てようとして失敗したら(道路に落としたら)面倒なことになるし… 終点で立てよう」と思った。

その後、終点B駅に到着して、すぐに国旗を立て… となるはずだったのだが、国旗のことはすっかり忘却の彼方となっていた私は、約10分の休憩後に某住宅地へ向かって発車してしまった。約40分後、終点の一つ手前のバス停で降車客扱いをして発進… 車内ミラーをチラッと見て「あ、まだ白いシャツに白い帽子のお爺さんが乗っていたんだ」と思いながら終点の某住宅地へ…

「ご乗車ありがとう~」と言いながらバスを止め、両扉を開けたのだが… 「ん? 誰も降りな… 否、いない!? お爺さんは何処へ…??? う~む… 何を見間違えたのだろうか? もう昼前だというのに、まだ寝ぼけとるのかぁ~」と思った。その後、忘れ物チェックをしてから営業所へ向かって回送で発進… と、10mくらい動き出してから「あっ! 国旗!」と思い出し、待機場所へバックバックバック… 勤務前半5時間30分の内の5分間だけ、国旗を立てて走った私であった。ハハハ…


予想外の万爆

2017年07月17日 17時11分11秒 | バス運転士
あるバス停で2人の女の子が乗って、1人が「土日切符ください」と言った。通常、「子供の~」と言われなければ、大人用を出すのだが、今回は「ん? 中学生にしてはちょっと…」と迷ったので、その子が差し出した小銭を確認してから“子供用の土日切符”を手渡した。

すると、もう1人の女の子が「どうして細かいのを持って来なかったのかなぁ…」と独り言を呟きながら財布の中を見ていたので、「まさか!?」と思っていたら… 案の定、ピンピンの一万円札が出てきたので、私は平静を装いつつ、釣り銭9700円と子供用の土日切符を手渡したのだった。

バス停を発車して間もなく、これまでに何度か聞いたことがあるメロディーが聞こえてきた。その後、すぐに「もしもし~ 今ねぇ~」という女の子の声が聞こえてきたので、「あぁ、さっきの… 今日は某港で花火が上がるから、どこかで友だちと待ち合わせをして行くのだろう」と思っていたら、バス停一区間も走らないうちに電話は切れていた… と思う。

終点に到着して、忘れ物チェックをしていたら… 座席に“古い土日切符(7月8日付)”が捨てられていたので、拾い上げてみたところ… それは子供用であった。「あっ、あの一万円かぁ~! そんな女、20年後に再会しても、嫁にもらってやんないぞぉ~!」と思った私であった…(はぁ!? 「もらってやる」なんて偉そうに言える立場かよ! だいたい20年後のオマエは… だろ? ハハハ…)