現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

大橋鯛山氏のブログに、私のことが

2016-10-14 15:24:48 | 虚無僧日記

邦星堂の大橋鯛山氏。彼の記憶力と博識には舌をまきます。驚異的すごさです。

10/3の記事に私のことが詳しく書かれていました。以下転載させていただきます。

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(大橋鯛山氏のブログから) 

お客から電話で聞かれました。「キュウコウ流という流派が有るらしいのですが、

どういう流か知っていたら教えて下さい」と。タブン牧原一路さんの「吸江流」の事だと

思います。これは流としての実態が有るわけではなく、牧原さんのシャレだと思います。

彼は九孔尺八を使っているので、それで「キュウコウ流」です。冗談が好きな牧原さんは、

また禅にも宗教家なみに詳しい人ですから、シャレで吸江とあてたんだと思います。

この言葉は、盛唐期の禅僧、馬祖道一の「一口吸尽西江水(一口に西江の水を吸い尽くす)」が

本ですが、「何物にも捉われない人とは誰ですか?」の問いへの答えです。

「万物と抵抗なく一体化する」という風に漠然と思っておけば良いんではないですかね。

 

(牧原コメント: なるほど、私は あの「長江(揚子江)の水を一口で吸い尽くす」ですから

すべてのものを抵抗なく受け入れると解釈していました。琴古も都山も明暗も古典も現代曲も

演歌も民謡も、クラシックからポピュラー、ジブリ、「千本桜」まで、なんでも吹く。

尺八は9孔だけでなく、曲に応じて5孔、7孔、8孔、無孔、となんでも使います。

ネプチューン海山氏のスーパー尺八も吹きます。

さて、大橋鯛山氏のブログの続き。

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 牧原さんは九孔尺八を使っていますが、この楽器を使う人って極めて珍しいのです。

これを使いこなすのは至難の業です。プロでは牧原一路さんと杉沼佐千雄さんしか知りません。

大学は牧原さんは慶応、杉沼さんは独協です。牧原さんは堀井小二朗門下で「土曜会合奏団」の

エースとして9孔尺八を吹いていました。余談ですが、皆が牧原さんは堀井先生のお嬢さんと

結婚すると思っていました。それほど堀井先生に可愛がられていました。

(牧原コメント: よくご存知で。恐れ入りました。結婚していたら私は福沢諭吉の曾孫に?)

堀井小二朗と言っても、もう通じる人が少なくなって残念です。7孔尺八の普及は、

この人無くして有り得なかったと思います。実際に普及に一番功が有ったのは 宮田耕八朗ですが、

宮田さんも堀井先生の影響で7孔を採用したのですから。

民謡の方なら「十勝馬唄」は誰でも知ってるはずですが、この唄は堀井先生の作です。

また映画「二十四の瞳」で使われた尺八曲「瞳」もよく吹かれています。

この方の祖父は有名な福沢諭吉です。その縁で一時、諭吉が創業に関わった明治ゴムという会社に

勤めていました。この明治ゴムからは有名尺八家が、もう一人出ています。答えは中村明一さん。

 

(牧原:コメント それは知りませんでした。戦後は尺八一筋でしたが、戦前? 一時期

マックスファクターや明治生命等に勤めていたことがあると聞いていました。しかし、

明治生命の役員の某氏が慶応竹の会の創設に深く関わっていましたが、堀井氏は竹の会との

接点が無いことに、不思議に思っていました)。

 

再び、大橋鯛山氏のブログ つづけます。

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一方、杉沼さんは山口五郎門下で内弟子扱いを受けていたほどの古典の名手でした。それがどうも

古典も5孔も「吹くのが辛くなった」という事です。

つまり音楽的に必然が有って お二人とも9孔を吹いているわけで、「7孔9孔は邪道。

古典は5孔で吹かないと本物の尺八ではない」とノタマウおじさん、試しにこの二人の古典を

聴いてみなさいな。ピカピカの本物だから。古典でも日本屈指の人達ですよ。

 

(牧原:コメント 持ち上げていただいて、ありがとう!)