現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

昭和39年という年

2017-04-11 09:01:48 | 虚無僧日記

昭和39年(1964)は「東京オリンピック」。そして
「日本音楽集団」が結成され、NHK/FMで「現代の
日本音楽」がスタートした年。わくわくした時代だった。

そしてもうひとつ「尺八三本会」が旗揚げされた年。

横山勝也、山本邦山、青木静夫(鈴慕)の三人がトリオを組んだ。


横山勝也 昭和 9年(1934年)12月2日生- 平成22年4月21日死去。75歳。本名は信也。

山本邦山 昭和12年(1937年)10月6日生 - 平成26年2月10日死去 76歳、本名は泰正

青木鈴慕 昭和10年(1935年)10月4日)生 -              本名は静夫。


ということは、昭和39年に『尺八三本会』を結成した時、
横山勝也氏は30歳で最年長。
青木静夫氏が29歳、
山本邦山氏は 最年少の27歳。

私は16歳で 高校2年。当時、都山流準師範だった「古賀将之」氏
の教室に入門、第一号の弟子だった。


もひとつ、美空ひばりの『柔』で、村岡実が尺八前奏でデビュー。
村岡実は、横山勝也、宮田耕八朗とともに「東京尺八三重奏団」を
結成していたが、演歌の伴奏で忙しくなり、解消された。この年、
村岡実は40歳だった。

こうして第一次尺八ブームが沸き起こった。さて第二次ブームは?



尺八狂言『楽阿弥』考 つづき

2017-04-11 08:55:07 | 虚無僧って?

狂言『楽阿弥』には「大尺八、小尺八、四笛、半笛」が
登場する。


旅の僧が吹く尺八を、「僧正」に引っ掛けて「双調切り」。
「双調」は音程の和名でG(ソ)を基音とする尺八で
その長さは1尺3寸前後。(管の太さでずれる)。

楽阿弥は「われが吹くとかしましい(うるさい)ので」と、
「大尺八」を取り出して吹くという内容になっている。

幕末の1820年に出された『狂言不審紙』という解説本には
「大尺八は2尺5寸、小尺八1尺2寸、これ半笛。
半笛は1尺8寸の竹に8,9寸にて用いる」とある。

長さが半分になれば1オクターブ高くなることが理解されて
いたのだ。

旅の僧が吹く尺八を「双調=G(ソ)管=1尺3寸」とすると、
その1オクターブ下のG管は「2尺6寸」となる。

室町時代の尺八は1尺1寸ほどの「一節切り(ひとよぎり」
だったから、その1オクターブ下なら「2尺2寸」。
これならまだ、可能性はある。

江戸時代になって1尺8寸が標準となり、一節切りを「小尺八」、
1尺8寸を「大尺八」と区別したのではないかと思うのだが、
幕末の『狂言不審紙』は 何を元に「大尺八を2尺5寸」と
したのだろうか。全く謎である。

そのようなものが江戸時代にあったとは思えない。
江戸時代のものと明らかな「2尺5寸管」や「9寸管」の
尺八が現存していないのである。今後、ネットで出てこないか
注目しているところである。