現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

あの世行きのパスポート

2021-01-04 22:09:49 | 虚無僧日記

今日の3分間法話

あなたは、今 正しく生きてますか?」と 聞かれて、

「はい、やましいことはしていない」と、胸を張って答えられるだろうか。

誰もが “良心” を持っている。 良心=仏心 と言ってもいい。

自分は、“仏” と 一体になったであろうか。み仏のように誰からも信頼され、好かれ、尊敬される人になっているだろうか。

そう問われれば、否かっぺだ。

 

死んだら、あの世の入り口で、三つの質問をされるそうだ。

1 あなたは 誰のために 生きてきましたか?

2 あなたは 何のために 生きてきましたか?

3 あなたは 何を残してきましたか?

 

この三つの問いに、正解しないと、あの世とやらには行かれないそうだ。

ゲゲゲのゲ。「誰のために?」「何のために?」と問われれば、

自分のため」にしか生きてこなかった。自分の身勝手な願望、

やりたいこと、したいことのために、家族も友達も 犠牲にしてきた。

そして、家族に社会に 何も残せなかった。財産も記憶も。

このまま死んだら、私という人間が、誰の記憶にも留まらないのでは、

あまりにも空しい。

 

あなたには、あの世行きのパスポートは まだ 発行できません。

今からでも やり直して、出直してきなさい」 と 天の声。

そこで目が覚めた。


門松や冥途の旅の一里塚

2021-01-04 22:05:20 | 虚無僧日記

正月元旦の中日新聞コラム「中日春秋」

一休和尚の狂歌 <餅つかず、しめ飾りせず、松立てず、かかる家にも正月は来つ>」を引き合いにして、「帰省ラッシュもなく、街に賑やかさは無くとも、正月はやってきた」というような内容の記事でした。

コロナ禍で、例年とはすっかり様変わりの正月。全く正月気分もなし。

例年なら元日の早朝からあちこち呼ばれて、大忙しの私でしたが、今年は全部キャンセル。大晦日の晩からずっと布団の中でウダダ ウダダの寝正月でした。

 

一休の噺なら、こちらが有名

一休さん、堺の町で 正月に髑髏(どくろ)を振りかざしながら

門松や冥途の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし。ご用心、ご用心」と。

人々は驚き「けったいな、正月だというのに縁起の悪い」と。

一休「なに、これがめでたくないとは? 髑髏は目が出てるから目出たいじゃ。ハハハ」。

そして続けていう「骨になってしまえば皆同じ。男か女かも、やんごとなき姫君か遊女かもわからぬではないか面(つら)の皮一枚のことで、やれ美人だのブスだのと比べるのはおよしなさい」とも。

一休寺に伝わる「一休が作ったとされる髑髏」

 

この比較をするなというのも「普化の禅」です。虚無僧は比較をしない。

尺八の上手下手を比べない。ボロもいれば派手な衣装の虚無僧もいる。

善人も悪人もいる。いろいろな虚無僧がいて、すべてを容認する。

それが虚無僧の悟り。明も暗も心の内。

「虚無僧の元祖一休」をテーマに尺八と講演を行ってきましたが、もうその機会もなくなりもうした。