現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

壬生義士伝

2021-10-16 08:59:29 | テレビ・映画・芸能人

浅田次郎原作『壬生義士伝』

中井貴一で映画化されたが、新選組の衣が赤と黒なのには幻滅。なんで赤黒にする必要があるのかとぶっきれ。浅葱(あさぎ=薄い青みがかった鼠色)には意味があるのです。浅葱は士分でない者を示す色です。新選組は正規の会津藩士ではなく、浪人、農民の身分でした。中井貴一も今ひとつ、強そうに見えない。

これに対して渡辺謙主演の2002年のテレビ東京「お正月時代劇」10時間ドラマは、感動! テレビで見、再放送を見、ビデオに撮って見、そしてYouTubeでも見、何度見ても泣けました。

妻子を養うために、南部盛岡藩を脱藩して「新選組」にはいり、金になることは何でもやり、「守銭奴」や「出稼ぎ浪人」などと呼ばれた「吉村貫一郎」の義理と愛を貫く姿を描いた作品。

コメントも「時代劇で これほど泣いたこと無いくらい大泣きしたというのが大半。私も、テレビで観た時は、新選組にこんな隊士がいたのかと感動にうち震えたが、その後、浅田次郎のフィクション(創作)と知って、興ざめ。


そもそも「吉村貫一郎」は実在したのか?
鳥羽伏見で戦死した隊士の中に、南部盛岡出身で「嘉村(よしむら?)権太郎」と
いう名があるが、事跡は不明。全く無名の隊士だった。
そして、箱館での戦死者名簿の中に「久慈藤右衛門 南部藩脱走士がおり、二人を「親子」として、話を創作したようだ。

吉村貫一郎の幼馴染で家老の「大野次郎右衛門」も実在していない。
小説では、「奥羽越列藩同盟」側に付くよう藩論を仕向け、官軍側についた隣国秋田に攻め入り、敗戦後、その責任をとらされて斬首となる。

その人物は、大野次郎右衛門ではなく「楢山佐渡」という家老。

ですから私が一番泣けたのは、吉村貫一郎ではなく、上司の大野次郎右衛門役の「内藤剛志」さん。


「お役目」と「幼馴染の人情」の狭間に苦悩する。母親(岸田今日子)との別れ、貫一郎の倅「嘉一郎」とのやりとりの場面で、もう泣が止まらなかった。「内藤剛志」が、言葉数少なく、顔の表情だけで、こんなに名演技をするとは知らなかった。

ラストは貫一郎の子「嘉一郎」が脱藩して函館戦争で戦死するシーン。なぜ、父の願いに反して死を選んだのか。その真意に涙が止まらない。さすが小説家浅田次郎。


南部藩家老 楢山佐渡

2021-10-16 08:59:06 | テレビ・映画・芸能人

『壬生義士伝』で吉村貫一郎の上司「大野次郎右衛門」のモデルは南部藩家老「楢山佐渡」のようだ。

「楢山佐渡」は、藩主の縁戚にあたり、代々家老職。22歳で家老となり、後、主席家老となった。

以下は「北条四郎のホームページ~幕末南部藩を率いた悲劇の武将 楢山佐渡」より。

慶応4年(1868)正月の「鳥羽伏見の戦い」後、南部藩に、朝廷より召集令状が来、楢山佐渡と他2名が京都に上った。そこで楢山佐渡が見たものは・・・・・。
 
京都市中は、西洋式の軍服を着込んだ西国の藩兵が肩で風切って歩いている。花街は、そんな連中であふれ、頽廃そのものであった。

楢山佐渡は西郷隆盛と会談した。西郷とその部下達は車座になって「すきやき」を食っていた。西郷の、ラフな姿に、紋付袴に裃(かみしも)の楢山は面食らう。楢山の血は逆流した。こいつらは侍ではない。

そして、帰藩して「楢山」は 各々方に説いた。

「薩長は勤皇どころか、姑息なやり口で天下を奪い取った反逆者にほかならない。会津・庄内両藩を討伐せよという勅はそもそも偽勅である!天子様が幼いことにつけこみ、薩長は自らの私の恨みを晴らさんがため、勅命を捏造しておるのだ。我らは武士である。もののふである以上、卑怯な輩を討ち、君側を清めねばならぬ。無実の者を陥れ、朝廷をないがしろにする者共にひれ伏すとなれば、もはや武士ではない。拙者は義の為に戦い、死ぬ道を選ぶ。」
 
藩を「奥羽越列藩同盟」側に導き、秋田大館に攻め入ったが、戦後は敗戦の責を負い、明治2年6月23日、盛岡・報恩寺で刎首された。享年39。

辞世は「花は咲く 柳はもゆる 春の夜に
      うつらぬものは 武士(もののふ)の道」


まさに、『壬生義士伝』の「大野次郎右衛門」。

でも、それならなんで、吉村貫一郎を死に追いやったのかね。小説の矛盾。ボロが出たね。


新撰組の歌

2021-10-16 08:58:48 | テレビ・映画・芸能人

昨日「右翼の街宣車」から流れてくる曲に、思わず 車を止めて聞き入った。『新撰組の歌』だ。なつかしい。

ネットで検索していたら「右翼の街宣車でよく流れている曲、『葵の花に吹く~』、あれはなんという曲ですか」という質問もあった。私の他にも、惹きつけられる人がいるのだ。「葵の花に吹く時代の嵐」この冒頭の歌詞を聞いただけで新選組の運命を語っている。涙がでる。



新撰組の歌』 作詞:牧房雄 作曲:小川隆

一、葵の花に吹く時代の嵐 乱れてさわぐ京の空
  「誠」の旗に集いつつ 誓う剣は雲を切る

二、茨を踏み越えて大儀の二文字に 憂いてすすむ道一つ 
  今宵も加茂の水荒れて夢は破れる 小夜千鳥

三、砲筒に草は燃え 三百年の武運は空し鳥羽伏見
  夜明けを前に 散りまどう壬生のつわもの 何処へゆく

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これはテレビ時代劇『新撰組始末記』の主題歌だった。歌は 三橋美智也だったか。

キー局:KRテレビ(現、TBS)
放送期間:1961年10月17日~62年12月25日
放送日:毎週火曜日21:30~22:00
キャスト:中村竹弥(近藤勇)、戸浦六宏(土方歳三)、

1961年は昭和36年。まだテレビも白黒の時代。私は中学生。
中村竹弥が近藤勇役で、父と共に毎週火曜日、テレビの前に釘付けになって観た。

それまでは、新撰組といえば『鞍馬天狗』の敵役。悪役だった。それが、初めて「近藤勇」に光が当てられたのだ。
菊は栄ゆく、葵は枯れる」芥川隆行の名調子のナレーションもまだ耳に残る。

 

三橋美智也「新選組の歌」

三橋美智也「新選組の歌」『新選組始末記(1961年版)』主題歌  1962年(昭和37年)発売 作詞:牧房雄 作曲:舟越隆司

youtube#video

 

土方歳三といえば栗塚旭

2021-10-16 08:58:23 | テレビ・映画・芸能人

「土方歳三」といえば「栗塚旭」。一番のはまり役だった。

栗塚旭は、1965年の『新撰組血風録』と、1970年の『燃えよ剣』で「土方歳三」役をやり、すっかり「土方」のイメージが定着してしまった。そして、局長の近藤勇より、「土方」の方が主役を奪ってしまったのだ。

鬼の副長「土方歳三」を演じた「栗塚旭」氏であるから、素顔もニヒルで怖い人、厳しい人かと思ったが、実は正反対。

ネアカでよく笑い、すごく謙虚な方だ。当時はまだ29歳、劇団の下っぱ団員で、ナヨナヨしていて、決断力もない青年だったそうな。
それが「土方」役に抜擢されて、監督から「笑うな、動くな、しゃべるな」と言われ、役づくりに必死だったとのこと。

全く意外。その後『暴れん坊将軍』などにも出演していたようだが、
「土方歳三」のイメージが強烈すぎて、他では人気が出なかったようだ。

40年も過ぎて、まだ多くの人の心に記憶されている。これはすごい
ことだ。


燃えよ剣 &新選組血風禄

2021-10-16 08:57:57 | 虚無僧日記

 

映画「燃えよ剣」の公開がまたまた10月15日まで延期となった。

NH大河「せごどん」で西郷隆盛を演じた鈴木亮平が今度は近藤勇とは。どうも私の頭の中ではイメージの切り替えができない。

「燃えよ剣」も「新選組血風禄」もたひたび映画化、テレビドラマ化されている。どちらも司馬遼太郎作品。これも私の頭の中ではどっちがどっちだったか ごちゃごちゃ。