FB「しあわせになるレシピ」から転載させていただきました。
【お釈迦様と悪口男】
お釈迦様が多くの人たちから尊敬される姿を見て、ひがんでいる男がいました。
「どうして、あんな男がみんなの尊敬を集めるのだ。いまいましい」
男はそう言いながら、お釈迦様をギャフンと言わせようと、
その男は、お釈迦様を群集の中で口汚くののしってやることにしました。
「お釈迦の野郎、きっと、おれに悪口を言われたら、
汚い言葉で言い返してくるだろう。
その様子を人々が見たら、あいつの人気なんて、
アッという間に崩れるに違いない」
そして、その日が来ました。
男は、お釈迦さまの前に立ちはだかって、ひどい言葉を投げかけます。
お釈迦さまは、ただ黙って、その男の言葉を聞いておられました。
弟子たちはくやしい気持ちで、
「あんなひどいことを言わせておいていいのですか?」
とお釈迦さまにたずねました。
それでも、お釈迦さまは一言も言い返すことなく、
黙ってその男の悪態を聞いていました。
男は、一方的にお釈迦さまの悪口を言い続けて疲れたのか、
しばらく後、その場にへたりこんでしまいました。
どんな悪口を言っても、お釈迦さまは一言も言い返さないので、
なんだか虚しくなってしまったのです。
その様子を見て、お釈迦さまは、静かにその男にたずねました。
「もし他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった時、
その贈り物は 一体誰のものだろうか」
こう聞かれた男は、
突っぱねるように言いました。
「そりゃ、言うまでもない。相手が受け取らなかったら
贈ろうとした者のものだろう」
男はそう答えてからすぐに、「あっ」と気づきました。
お釈迦さまは静かにこう続けられました。
「そうだよ。今、あなたは私のことをひどくののしった。
でも、私はそのののしりを少しも受け取らなかった。
だから、あなたが言ったことはすべて、あなたが受け取ることに
なるんだよ」