現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

婦人解放運動の魁「伊藤野枝」

2022-09-12 03:08:43 | 社会問題

NHK BSプレミアムで、「風よあらしよ」が放映されている。9月4日から三回シリーズ。

関東大震災後、甘粕大尉によって殺された「伊藤野枝」の物語。

村山由佳著の同名小説をドラマ化。野枝役は吉高由里子

私は、なぜか「伊藤野枝」に心惹かれる。

風よあらしよ】のキャスト・登場人物・相関図!吉高由里子が伊藤野枝 役!|【dorama9】

 

伊藤野枝(1895年- 1923年)は、福岡から上京して、
上野高等女学校に入学。英語教師だった辻潤に惚れこみ、
卒業と同時に辻潤の押しかけ女房となった。故郷には
親が決めた婚約者がおり、辻は 野枝との結婚で
女学校の教師を辞めることになった。

辻との間に二人の子を設けたが、その後、辻を捨てて
大杉栄に近づいた。大杉には妻と愛人がいたが、その
二人を押しのけて、5人の子を設けている。野枝は
世間の批判をものともせず、不倫を公言し、結婚制度を
否定した。そして「平塚らいてう」の女性文学集団
「青鞜社」を引き継ぎ、与謝野晶子・岡本かの子ら
とも親交を深め、婦人解放運動の先鋒となった。

だが、大杉栄とともに「危険思想」とみなされ、
関東大震災後の混乱の中、憲兵に連れ去られ、
拷問を受けて撲殺された。28歳だった。首謀者は
「甘粕大尉」という。

上京して わずか10年の間に、 時代を100年先取り
した激しく情熱的な生き方を貫いたことに 驚く。

大杉栄と伊藤野枝との間に生まれた長女の名は「魔子」、
次女エマ、三女エマ、四女ルイズ、長男・ネストル。

瀬戸内寂聴は、この「魔子」に会って取材している。
昭和39年、「魔子」47歳。博多人形師と結婚して
「青木魔子」となっていた。

大杉栄は魔子を“目に入れても痛くないほど”可愛
がっていた。子供の頃の大杉に抱かれている写真が
何点か残されている。当時では珍しい、ハイカラな
洋装で、大きな瞳をイキイキと輝かせ、物怖じしない
活発な性格だった。

大正6年生まれだから、父大杉栄と母野枝が殺された
ときは6歳だった。大杉栄38才、伊藤野枝28才、
甥の橘宗一6才。

「母の野枝はいつも『どうせ私たちは、ロクな死に方を
しない』と口癖のように言っていた」という。どこへ
行くにも警察の尾行が付いていたが、野枝はつきまとう
警官にも気さくに声をかけ、摩子の子守までさせた
という。

その子「摩子」は、寂聴の取材を受けた4年後の昭和
43年9月28日 交通事故死。51歳。「明るく聡明な
婦人だったが、笑顔の奥に翳りがあった」と寂聴は
書いている。

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