「常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)」とは、『法華経』に
登場する菩薩です。
「常不軽菩薩」は、道で会うすべての人に手を合わせ、
「あなた様は 必ずや 仏となられましょう」と言って
礼拝した。しかし、そう言われた人々は、不興になり、
彼を狂人扱いして、杖や木の棒で叩き、瓦石を投げて、
彼を迫害した。
「常不軽菩薩」は、誹謗され、迫害されても、他人を
責めず、恨むことはなかった。そして、成仏した後、
釈迦となってこの世に生まれ変わった。つまり「釈迦の
前世」の菩薩だったというのです。
“ちょっと待って”。こうした考えは、初期の仏教には
ありませんでした。「仏」は「釈迦」一人だったのですが、
釈迦の入滅後 500年、1000年を経て、「釈迦の前にも何万もの
仏が居た」とされ、「悪人も卑しき人も誰でも皆“仏”に
なれる」という『法華経』の教義が中国、日本で広まります。
これが大乗仏教です。タイやスリランカなどの小乗仏教には
ありません。
日本では、平安時代の末、法然、親鸞によって広められ
ますが、奈良や比叡山の古い仏教の僧侶たちからは
猛反発を喰らいます。誰でも皆成仏できるなら、厳しい
修行や、経典の学習など必要ないことになります。
「常不軽菩薩」に石を投げた人々も同じ気持ちだった
のでしょう。また、「あなたは仏になる人です」なんて
言われるのは、かえって不快に感じるものです。バカか
アホかと思うのも当然です。
でも この話は ある一面を突いています。「万象我が師」、
すべての人を敬い、「仏になる」とは、己れを低くし、
「バカになる」ことでもありましょう。“バカになりきれ
ない”のは、自我に執着する心です。
虚無僧もまた“我(が)”を捨てバカになる修行です。
他人から見たらアホでしょう。子供も虚無僧を見て
「何あれ、変なのかぶって、あははは」と笑います。
笑われる存在なのです。
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