最近「癌」に対する見方がすっかり変わった。コロナ騒ぎで、癌よりコロナの方が怖い? という錯覚か、癌にかかっても騒がなくなった。
「癌で死ぬのも悪くない」とか「癌は死への準備ができる最も良い病気だ」というようなことが言われている。
私は以前からそう思っていた。
余命が判れば、それまでに、やり残したこと、片付けなど 死への準備ができる。
交通事故や心筋梗塞、脳卒中は 突然起こり、心の準備のないまま死に到るか、逆に 半身不随になって あと何年生きるのかと 悩み、苦しまなければならない。
映画『エンディング・ノート』は、そのような生き様に光りを当ててくれた。「余命半年」と宣告されれば、それに向かって準備をし、家族の絆も深められる。
医者は、自分が「癌」と判ったら、手術も治療も拒否して、静かに死を迎える人が多いとか。渡辺淳一の『無影灯』(TVドラマでは『白い影』)もそうだった。
「医者は、患者には 化学療法や放射線治療、外科手術等あらゆる手を尽くすのに、自分のこととなると、一切を拒否する。それは・・・? 医者は、病気の進行状況も、近代医療の限界についても熟知しているからだ。たとえば、もう最期という時に、心肺蘇生救急(CPR)を施され、肋骨を折られたくはないのだ」と。