喫茶去

徒然に、日々の生活を書き留めたいと思います。喫茶去、まあ、お茶でも飲んで、のんびりしていって。

後世に残る小説

2011-02-07 | 読後感

最近、最後の忠臣蔵を見て、



原作を読んだ。

大石内蔵助は「昼行灯」とあだ名されていたそうだけど、
この小説の彼はすごいと思った。
それは、四十七人の1人、寺坂吉右衛門を逃がした。
その目的は
①討ち入り後、万一幕府が、事件を歪曲して発表した場合には、
  生証人として真実を語ること。
②残された遺族が餓死、物乞い、犯罪等の汚点を残さないよう
   生活を援けること。

この小説は大石内蔵助が主人公ではないけど、
彼のことがすごく印象に残った。

この小説の中で、「いいな」と思った文章
※大石内蔵助が言った言葉で
 「言うは易く、行なうは難しという言葉がある。
  討ち入りに加わったのが立派、選に洩れたが
  士道不覚悟というのではない。
  これは長い一生の生きように、それぞれ違いがある・・・・・・
  他に生きようのある者は、その道を選ばせたい。」
※寺坂吉右衛門が言った言葉で
 「行蔵は内に存す、と、大石様は言われた。
  われら四十七人は討ち入りを持って侍の生きよう、
  義を貫いた。それだけのこと。
  他人が褒めようと謗ろうと、われらの為し遂げたことは
  毫も変わるものではない・・・・・
  人の生きようとは、そういうものなのだ・・・・・・」
 「人の生きる道には、数々の別れ道がある。
  そなたは選んだ道を歩み、わしも選んだ道を歩いていまここにいる。
  ふり返ったとて元には戻らぬ」
※戸田権左衛門
  「天下を驚倒させる大事は大石どの一人の力ではないのだ、
   その下に四十六人の決死の士があり、
   更にそれを知りつつ、大事を洩らさぬ三百の藩士があって、
   事は成就したのだ・・・・・・
   大石どのは、その無名の三百の旧藩士に剥く報ゆるため、
   名を惜しむこの寺坂吉右衛門どのを世に残された・・・・・
   討ち入りの大事は、赤穂浅野家の家臣総掛りの成果であった」

もう一人、大石内蔵助に命を受けていた、
瀬尾孫左衛門と彼が育てていた大石内蔵助の娘可音の存在には
映画でもビックリしたけど・・・・・・
最後の可音と茶屋四郎次郎の婚儀には何だかホットした。

この本の解説に、『後世に残る小説』と、書かれていた。
私も、忘れられない本の一つになると思う。

『最後の忠臣蔵』
著  者:池宮彰一郎
出版社:角川文庫

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする