私の好きなノンフィクション作家の梯久美子さんの作品。
小説家や俳人・歌人の私生活なんて全く知る由もないけれど、
この本はそんな12人の恋愛や結婚の顚末、
どのように死んでいったかも書かれていて、
それぞれ強烈に個性的で、人間臭くって面白かった。
12人の内、4人は名前は知っているけど、
小説は読んだことがない。
あとは初めて知ったと言う人物ばかり。
彼、彼女たちの背景を知って読むことで、
その人たちが書いた小説を
より深く理解できるのかなと思った。
しかし、この本の一番最初に出てくる
「蟹工舟」で有名な小林多喜二ってすごく優しい。
永遠の恋人、田口タキなる女性がいて、
多喜二から深く愛されなから、
彼のために身を引き、生涯沈黙をつらぬいて、
平成21年に亡くなり、102歳だったそう。
私だったら、絶対、身を引くなんてことはしないな
昭和8年に多喜二が虐殺されてから、
遅い結婚をされたのだけど、その後も、
毎年、命日には、手紙と供物が送ってきたそう。
「蟹工舟」、是非、読んで見なくっちゃ。